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B型肝炎の検査費用はいくら?受けられる場所や陽性だった場合の対応についても解説 検査をどこで受ければいいのか、また検査費用がいくらかかるかの目安などを説明していきます。
目次
日本には、B型肝炎ウイルスに持続感染している人は約110~140万人、集団予防接種等により、感染してしまった方は、約40万人以上いるといわれています。
しかし、B型肝炎ウイルスに持続感染していても約80%の方は症状が出ることがない(「無症候性キャリア」)ため、自分がB型肝炎ウイルスに持続感染していることを知らない方が多くいます。 ここでは、自分がB型肝炎なのかどうかもわからない、検査を受けたいけど、どこで受ければいいのか、また検査費用がいくらかかるかの目安などを説明していきます。
B型肝炎ウイルスに感染すると
B型肝炎ウイルスへの感染は、ほぼ生涯にわたり感染が継続する「持続感染」と一過性の感染に終わる「一過性感染」に大別することができます。今回のB型肝炎給付金は、「一過性感染」は手続きの対象外であり、「持続感染」している方のみが対象となります。
そもそも、B型肝炎ウイルスに感染しているかどうか、また感染しているとして、持続感染なのか、それとも一過性感染なのかを確認するには、血液検査を行なう必要があります。
B型肝炎ウイルスに持続感染しているとは
B型肝炎給付金では、血液検査の結果、以下の(1)もしくは(2)に該当する場合、B型肝炎ウイルスに持続感染している、と判断されます。
- HBs抗原(HBe抗原、HBV-DNAでも可)が6か月以上空けた2時点でともに陽性が確認できる場合
- HBc抗体陽性かつ高力価(※)である場合
高力価とは、HBc抗体検査をCLIA法で行ない、数値が10.0S/CO以上であることをいいます。
よって、上記①もしくは②に該当する場合は、B型肝炎給付金の対象になる可能性が高い、といえます。
一方、該当しない場合は、一過性感染として判断される可能性が高く、B型肝炎給付金の対象にはならない可能性もあります。
B型肝炎ウイルスに持続感染していることを知るきっかけ
B型肝炎ウイルスが原因で肝炎を発症した方以外で、自分がB型肝炎に持続感染していることを知るきっかけとして、多いのは、以下の通りです。
- 別の病気や怪我で入院や手術などをしたとき
- 妊娠中の血液検査(妊婦健診)
- 人間ドックなど、一般健康診断よりも検査項目が多い健康診断受けたとき
- 献血を受けたとき
- B型肝炎ウイルスに関連する副作用がある薬を使用するとき
別の病気や怪我で入院や手術などをしたとき
多くの医療機関では、入院する際や手術前に、感染症に関する血液検査を実施しています。
実施の趣旨としては、医療従事者や他の患者間への感染防御のためです。
検査項目としては、B型肝炎ウイルス検査、C型肝炎ウイルス検査、HIVウイルス検査、梅毒検査などが一般的です。
検査の結果、陽性だった場合は、医師からB型肝炎ウイルスに感染している事実を伝えられる場合が多いです。
妊娠中の血液検査(妊婦健診)
産婦人科で妊娠が確定し、母子手帳が発行されると、妊婦健診を受けることができます。
妊娠初期には、様々な血液検査項目を検査しますが、そのなかに、B型肝炎ウイルス検査があります。
これは1985年6月から実施された「B型肝炎母子感染防止事業」の一環で、妊婦に対し、HBs抗原検査を公費で行なうようになったことから、それがきっかけで、B型肝炎ウイルスに持続感染を知ることができます。
また、HBs抗原陽性の妊婦から出生した子に対し、母子感染防御処置も公費で行われています。
人間ドックなど、一般健康診断よりも検査項目が多い健康診断受けたとき
市区町村で行なっている市民健診や会社などで行なう職域健診で行なう血液検査項目には、B型肝炎ウイルス検査が含まれていないことがあります。一方で、人間ドックなど検査項目が多い健診の場合、B型肝炎ウイルス検査が含まれていることがあります。
人間ドック等では、B型肝炎ウイルス検査は、主にHBs抗原検査が実施されています。陽性の場合は、検査結果欄にウイルス感染している可能性があると記述され、専門医療機関で精密検査を受けるように指導されていることが多いです。
献血を受けたとき
献血とは、病気や怪我の治療で、輸血などが必要となった方のために、健康な人が自ら血液を提供するものです。そのため、提供された血液に病原体が混ざりこんでいないかどうか確認するために感染症検査を行っており、その中に「B型肝炎ウイルス検査」も含まれています。
献血の結果、B型肝炎ウイルス検査が陽性になった方に対しては、日本赤十字社から通知が届き、それをきっかけにB型肝炎だと知る方もいます。
B型肝炎ウイルスに関連する副作用がある薬を使用するとき
抗がん剤やリュウマチ治療薬など、一部の薬剤を使用すると、B型肝炎ウイルスが再活性化する場合があり、それらの薬剤を使用する前に、B型肝炎ウイルス検査を行なうことが一般的です。
血液検査の結果、B型肝炎ウイルスに感染している(していた)場合、医師から投薬に対する注意事項を説明されることがほとんどで、それでB型肝炎だと知る方もいます。
そのため、今までに大きな怪我や病気をしたことない、人間ドックなどを受けたことがない、などという方は、まだB型肝炎の検査を受けたことがない可能性がありますので、検査をすることをお勧めします。
B型肝炎の検査はどこで受けられる?
B型肝炎ウイルスに持続感染しているかどうかは「血液検査」によって調べることができます。 検査を受けられる主な場所や機会は以下のとおりです。
- 肝炎ウイルス検査
- かかりつけ医などの医療機関
- 定期健診や人間ドックなど健康診断
検査の場所 | 費用の相場 |
---|---|
肝炎ウイルス検査 | 費用が無料または低額 |
かかりつけ医など医療機関での検査 | 3,000~5,000円前後 |
健康診断や人間ドックなどでの検査 | 2,000~4,000円前後 |
ここでは、それぞれのメリットとデメリットを説明していきます。
肝炎ウイルス検査
肝炎ウイルス検査は、各市区町村で行っているものです。
肝炎ウイルス検査の最大のメリットとしては、検査費用が無料もしくは低額となっているため、あまりお金をかけずに検査をしたい、という方にお勧めです。
デメリットとしては、自治体により年齢制限(例:40歳以上)があること、検査を受けられる場所や日時も指定されていることがあります。
また、B型肝炎の検査項目は「HBs抗原のみ」となっているところがほとんどであるため、検査の結果、「陰性」だったとしても、その他、B型肝炎ウイルスに感染しているかどうか判断する「HBe抗原」や「HBV-DNA」、「HBc抗体」の検査が行われていないため、それだけでは、B型肝炎ウイルスに持続感染していない、と判断することはできません。
かかりつけ医など医療機関での検査
B型肝炎ウイルス検査は、どこの医療機関(何科)でも検査可能ですが、内科や消化器内科で検査をすることをお勧めします。
医療機関でのメリットとしては、B型肝炎ウイルス検査に必要な検査項目をすべて行なうことができること、また医療機関を自由に選び、自分のスケジュールに合わせて受診できることです。一方、デメリットとしては、医療機関によっては、健康保険が適用されないことです。
健康診断や人間ドックなどでの検査
まず、自分が受ける健康診断などにB型肝炎に関する検査項目があるかどうか確認する必要があります。一般的な健康診断にはB型肝炎の検査は入っていないことが多く、検査項目が多い人間ドックなどの場合は、入っていることもあります。健康診断を受ける医療機関によっては、B型肝炎ウイルス検査がオプションとして用意されている場合もあります。
メリットとしては、健康診断と同時に受けられるため、検査のためだけに医療機関などを受診する必要がないことです。 デメリットとしては、健康診断などは年1回という方が多く、それまで検査を受けることができないこと、またB型肝炎ウイルス検査は、オプションなどで検査費用が決められていることが多いため、健康保険適用されたときよりも割高になることが多いです。
検査費用はいくら?保険適用はある?
健康診断や人間ドックなどでの検査
健康診断や人間ドックなどの検査項目にB型肝炎ウイルス検査が含まれていない場合、健診機関によっては、オプション項目として、検査を追加で受けられることもあります。
追加の検査費用は、健診機関や検査項目により違いがありますが、およそ2,000~4,000円前後というところが多いと思います。
検査が可能かどうかを含め、事前に確認することをおすすめします。
かかりつけ医など医療機関での検査医療機関で検査を行なう場合
かかりつけ医など医療機関での検査医療機関で検査を行なう場合、健康保険適用されるか、保険外(自費検査)となるかどうかによって、検査費用はかわります。
健康保険が利用できるかどうかについては、検査が治療の一環であると判断されるかどうか、などによるため、事前に医療機関に確認するとよいでしょう。
健康保険適用外で検査を行なった場合、検査項目にもよりますが、約3,000~5,000円前後の医療機関が多いです。ただ、稀に5,000円以上という医療機関もあるため、受けたい検査項目を事前に伝えたうえで、検査費用を確認しておくほうが安心です。あまりにも検査費用が高額な場合は、他の医療機関での検査を検討することも必要です。
なお、検査項目によっては、5,000円を超える場合がありますので、もし不明点があれば、法律事務所に相談することをおすすめします。
B型肝炎の検査項目について
B型肝炎ウイルス検査項目は、主に以下のものがあります。
- HBs抗原
- HBS抗体
- HBe抗原
- HBe抗体
- HBc抗体
- HBV-DNA
これらの検査を行ない、B型肝炎ウイルスに持続感染しているのか、それとも、一過性感染(過去に感染したことがあり、治癒している状態)なのかどうかを判断します。
市区町村で行っているB型肝炎ウイルス検査では、HBs抗原検査のみを行ない、陽性だった場合、他の検査を行なうことが一般的です。
また、医療機関で検査を行なう場合は、上記の検査項目のすべて、もしくは一部の検査を行ない、現在の状況を確認します。
B型肝炎陽性だとわかったら
1. 肝疾患に関する専門医療機関を受診する
血液検査の結果、B型肝炎陽性だとわかったら、速やかに「肝疾患に関する専門医療機関」での受診することをお勧めします。
原則、肝炎ウイルス検査から1年以内に陽性と判定された方は、初回の精密検査費用を助成する制度もあります。
2. B型肝炎陽性となったときに受けられる助成金を申請する
B型肝炎だとわかった場合、主に以下のような助成金等が受けられる可能性があります。 ただし、助成金などを受け取るには、条件などがありますので、ご注意ください。
肝炎初回精密検査費用助成金
市町村で行っている肝炎ウイルス検査や職域での検査、術前や妊婦健診時の検査などでB型肝炎ウイルス陽性となった場合、初回精密検査費用助成制度があり、血液検査や超音波検査などを受けることができます。
条件や受けられる内容の詳細については、お住まいの都道府県でご確認ください。
定期検査費用助成金
ウイルス性B型肝炎による慢性肝炎・肝硬変・肝臓がん(無症候性キャリアは対象外)の治療中の方で、収入が一定額未満の方が、肝疾患による定期検査を受けた場合、検査費用等の一部が助成されます。
条件や受けられる内容の詳細については、お住まいの都道府県でご確認ください。
その他にも医療費助成金があります。
肝炎治療医療費助成金
ウイルス性肝炎治療のために、インターフェロン治療や核酸アナログ製剤治療を受ける場合、収入に応じて月額10,000~20,000円を超える医療費の助成を受けることができます。
条件や受けられる内容の詳細については、お住まいの市区町村でご確認ください。
3. B型肝炎訴訟で給付金を請求する
B型肝炎ウイルスに持続感染した原因が、幼少期に受けた集団予防接種等による注射器などの連続使用によるものであれば、病態により、50~3600万円の給付金を受け取ることができる可能性があります。
給付金を受け取るには、要件を満たす書類を収集し、国を相手に裁判を起こす必要があります。
もし、B型肝炎ウイルス検査の結果、陽性判定が出た場合、まずは、対象となるかどうかを確認するためにも、弁護士に相談することをおすすめします。
B型肝炎ウイルスが陽性の方で、ホームワンがサポートできること
ホームワンでは、B型肝炎給付金請求のサポートを行なっています。
給付金の対象となるには、国が定めた5つの要件を満たす必要がありますが、その証拠書類として、医療記録などを収集し、訴状作成、裁判所への出頭など、本人だけで行なうには、手間も労力もかかります。
弁護士に依頼しなくても手続きは可能ですが、本人で行なおうとすると、煩雑さから途中で断念してしまう方も多くいます。
また、裁判の結果、国と和解できた場合、弁護士費用の一部が支払われます。
ホームワンでは相談料や着手金は無料となっており、成功報酬のみ、となっておりますので、B型肝炎ウイルス陽性と判定された方は、まずはご相談されることをお勧めします。
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