人事・労務 - 残業代請求・未払い賃金

残業代請求された場合の対応残業代請求をされた際の初動対応と留意点

「従業員に突然サービス残業代を請求されてしまった」

「ユニオンから残業代の不払いについて団体交渉を求められた」

「労働審判を申し立てられたが、1回目は自分が出頭して様子見をしようと思うが、それでいいか」

残業代請求を放置した場合のリスク

残業代を請求された場合、当該従業員が労働基準監督署に申告し、臨検監督を招くことがないように、適正に対処することが必要です。

最近は、従業員がすぐ弁護士に相談し、弁護士から会社宛残業代請求が来ることも少なくありません。

臨時監督(臨検)

特に警戒すべきは、労働基準監督署が予告なく事業所を立入検査する臨検監督です。平成28年は臨検監督件数が169,623件、うち79.4%が定期監督、13%が申告監督、7.7%が再監督です。臨検監督が怖いのは、従業員全員について残業代の支払いが必要になってしまうことです。従業員が多ければ、その出費が巨額なものになることもあり、経営危機さえ招きかねません。

従業員から残業代の未払いを求めてられた場合、これを放っておくと、その従業員の申告で臨検が行われることもあるので、そういうことがないよう、従業員に対する対応にはきちんとした対応が必要です。また、定期監督があっても大丈夫なように、臨検が入った場合、すぐに資料を出せるよう契約書、給与台帳等を日ごろから整備しておく必要があります。

あっせん申立

労働局から、あっせん申立のあった旨の通知が届くことがあります。労働局に対するあっせん申立は費用がかからないため、気軽に利用されがちです。

あっせん申立があっても、出頭する義務はありません。ただ、出頭がなかった場合、労働局は申立をした労働者に法テラスを紹介するため、弁護士がついて争ってくる可能性はかなりあります。また労働者がユニオンに加入し、ユニオンから団体交渉を申し込まれることがあります。

ユニオン

最近ユニオンと呼ばれる労働組合がかなり増えており、労働者がユニオンに加入して、ユニオンから団体交渉を申し込まれることも最近よくあります。ユニオンは、団体交渉だけでなく、会社前でビラまきをしたり、街宣車で街宣活動をすることもあります。ユニオンも、組織のありようはいろいろです。ナショナルセンター系のユニオンもあれば、独立系のユニオンもあります(あるユニオンの委員長からは、成田空港の管制塔に籠った体験談をされたこともありました。)。

団交を拒否したり、書面でしか回答しないとしたり、権限ない社員に対応させ、一々持ち帰り検討としたりすると、誠実交渉義務違反となります。

誠実交渉義務違反は不当労働行為にあたり、ユニオンは都道府県労働委員会に対して、不当労働行為の救済申立てをすることができます。その場合、労働委員会から、審問のための呼び出しがあります。ただ、実際には6~7割の事件は和解によって解決されており、和解で解決できなかった案件についてのみ、労働委員会から救済命令が出されることになります。救済命令には執行力がありますので、不服の場合は、命令の交付を受けた日から30日以内に取消の訴えを提起する必要があります。

15日以内に中央労働委員会に再審査の申立てをすることもできますが、この申立があっても救済命令等の効力は停止されません。

裁判になった場合、ユニオンには代理権がないため、ユニオンが提携している弁護士が代理人になって争ってきます。

労働審判

労働審判の場合、1回目で裁判所から調停案を示されることもありますし、訴訟の場合でも比較的早期に裁判所から和解案を示されます。

労働審判は最長3回とされていますが、残業代請求を拒むのであれば、1回目の審判がある前に、必要な反論、証拠の提出が必要です。1回目から、核心に迫る質問を浴びせられますし、調停案に対する回答を求められるため、普通の裁判のように「1回目は様子を見て」という対応は許されないのです。

また、期日の変更はすぐに申し入れる必要があるため、ぎりぎりになって弁護士に頼んでも、弁護士が対応できないことがあります。弁護士をつけるのであれば、すぐにつける必要があります。みなし残業の問題があったり、直行直帰ある営業社員からの請求だったり、タイムカードで管理していないような場合は、争点があるため、弁護士を頼んだ方が無難です。

裁判所から示された和解案を拒否して、判決を求めることも可能ですが、付加金制度と言って、判決で倍額の支払いを命じられることになりますので、裁判所の提案には応じた方がいいでしょう。

また、全ての弁護士が残業代請求に慣れているわけではなく、残業代を低く計算していることもあるため、そうした場合はすぐに和解した方が得策です。

当事務所では、訴えを起こされた後の交渉はもちろんのこと、トラブルを未然に防ぐための就業規則の整備や職場環境の改善に関して、法的な見地から適切なアドバイスを致します。残念ながら多くの中小企業では、労働環境が十分に整備されているとは言いがたい状況です。弁護士が入ることで、経営者の代理となって、労働環境の整備を行います。お気軽にご相談ください。

また、労働審判が申し立てられた場合、1回の期日で裁判所の心証が示されることも多く、すぐに弁護士に依頼する必要があります。

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