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BCG注射痕跡について ここでは、B型肝炎訴訟において必要となる証拠の一つである種痘又はBCGの接種痕について説明します。
目次
種痘又はBCGの接種痕とB型肝炎訴訟
B型肝炎訴訟で国から給付金を貰うためには、裁判で「満7歳になるまでに集団予防接種等を受けたこと」の立証が必要です。母子健康手帳又は接種記録が確認できる予防接種台帳が残っていれば、これが直接的な証拠となり、立証することも可能となりますが、これがない場合、間接証拠を積み上げて証明する必要があり、この間接証拠の一つが種痘又はBCGの接種痕なのです。つまり、その接種痕があるということは、過去に種痘又はBCGの予防接種を受けたことを推測させる一つの事情となるのです。
種痘とは
種痘とは天然痘の予防接種のことで、日本では、1976年以降接種が差し控えられ、1980年に廃止されました。
種痘には、「切皮法」(基本的には右上腕の4か所を種痘針(メス)で長さ5㎜の十字に傷をつけて、痘苗をすり込む方法)と「乱刺法」(右上腕部に、乱刺針で直径3~5㎜までの円内を強く押すように乱刺する方法。多圧法とも言います)とがありました。いずれの方法でも、直径5~20㎜程度の瘢痕が残ります。以下で述べる、皮内法によるBCG接種痕との判別は難しいとされています。
ツベルクリン反応とBCG接種
かつて日本では、結核予防法により乳幼児・小中学生に対してツベルクリン反応検査を行ない、陰性だった者に対してBCG接種が行なわれ、その後陽性になるまで(陽転)毎年接種されていました。ただ、結核に感染していないのに陽性反応が出てしまうことがあり、その有効性が疑われるようになったため、2005年4月からは、ツベルクリン反応検査をすることなく、乳児段階でBCGを直接接種するようになっています。
BCGとは
毒性を弱めた牛型の結核菌で作ったワクチンで、結核の免疫をつけるために接種します。BCGの効果は15年程度持続するといわれ、重症の結核の予防に高い有効性が認められています。生後1歳までにBCGワクチンを接種すれば、小児の結核の発症を52~74%程度、重篤な髄膜炎や全身性の結核に関しては64~78%程度罹患リスクを減らすことができるとされています。抵抗力の弱い乳児の結核は重症化しやすく、死に至るケースもあるため、生後5カ月から8カ月未満までに実施するのがよいとされています(遅くとも12カ月未満までに)。
BCGの接種痕
当初BCGは「皮内法」といって、注射器を使ってBCG接種を行っていましたが、1967年3月の省令改正により同年4月から「経皮法」という方法がとられるようになりました。経皮法は管針法とも呼ばれ、特殊な形状から「はんこ注射」とか「スタンプ注射」とか呼ばれていました。9つの針が3×3に等間隔で固定され、これを上腕部に2カ所に押すので、サイコロの6の目のような痕が2か所、計18針の跡が残ります。
古いタイプの皮内法による注射痕は、注射部分が白くなったり、ケロイド状になったりという特徴があります(上で述べたとおり、種痘の接種痕との判別が困難とされています)。医師に接種痕を見せ、厚労省が用意した「接種痕意見書」のひな型に、必要事項を記載してもらい、これを証拠として出すことになります。
参考:接種痕意見書のひな型
BCG注射痕跡について まとめ
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種痘とは何ですか?天然痘の予防接種です。日本では1980年に廃止されました。
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BCGとは何ですか?毒性を弱めた牛型の結核菌で作ったワクチンで、結核の免疫をつけるために接種します。
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BCGの「経皮法」は、その特殊な形状から、どのように呼ばれていましたか?「はんこ注射」や「スタンプ注射」と呼ばれていました。
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種痘又はBCGの接種痕はB型肝炎訴訟の証拠となりますか?母子健康手帳又は接種記録が確認できる予防接種台帳があれば、これが直接的な証拠となり、「満7歳になるまでに集団予防接種等を受けたこと」という、給付金要件の1つを立証することも可能となりますが、これがない場合、医師に接種痕を見せ、厚労省が用意した「接種痕意見書」のひな型に必要事項を記載してもらい、これを証拠として出すことになります。これが上記要件を立証する一つの証拠となります。
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