相続財産 いくらあるの?

2014年8月26日に文化放送「くにまるジャパン」に出演した際に話した内容を掲載しています。 テーマは「相続財産 いくらあるの?」です。

パーソナリティ
今月は「お盆」の時期と言うこともあって、相続についての話題をお送りしてきました。ホームワンにも、このコーナーを聞いたことがきっかけで、相談の電話をかけてくる人がけっこういらっしゃるそうですね。
弁護士
今月は普段に比べてお問い合わせが多いですね。帰省して、久しぶりに家族や親戚といろいろ話して、相続について考えられたのだと思います。
ときどきいただくのが、相続財産をどうやって調べるのか、という質問です。亡くなった方が遺言を残していてくれれば調べやすいのですが、そうでないと、けっこう大変なんです。
パーソナリティ
ある程度の財産をお持ちの方は、特に難しそうですね。
弁護士
まずは、預金通帳を探すことから始めます。通帳は、残高はもちろん、保険料の支払いがあれば、生命保険をかけていることがわかります。証券会社とのやり取りがあれば、株式や投資信託があるんじゃないかな、と推測することもできます。
また、大金を引き出した記録が残っていたら、その行方はどうなったのか、調べる必要も出てきます。
  
パーソナリティ
取り合いになるかもしれませんね。
弁護士
以前お話ししたように、子どもたちが「母さん住み続けて」と申し出れば円満解決ですが、「自分の取り分が欲しい!」とあくまでも主張したら、母親はその分のお金を渡す必要があります。お金を用意できなければ、家を売ることにも…。
パーソナリティ
通帳は情報の宝庫なんですね。
弁護士
そうなんです。それだけに、兄弟で相続争いになりそうな場合、なかなか通帳が見つからないと、亡くなった親と同居していた長男に対して、「兄貴が隠してるんじゃないか」などと、弟が疑いを持つ…そんなケースも出てくる訳です。
パーソナリティ
弟さんの気持ちはわかりますね。
弁護士
通帳が見つからない場合は、銀行に対して、「預金の動きがわかる資料を出してくれ」と請求することができます。以前は、相続人全員で請求する必要があったのですが、今は、一人でもできるようになりました。
パーソナリティ
預金の行方でケンカすることは避けられるということですね。では、不動産を調べるにはどうすればいいですか。
弁護士
聞きなれないと思いますが「名寄帳」という資料を取り寄せます。「名前を寄せる帳簿」と書いて「名寄帳」。市町村役場には、「固定資産課税台帳」という資料があります。
これは、税金をかけるとき、どこにどの財産があるかを把握するためのもの。閲覧を請求すると、書面で出してもらえます。
この資料も、戸籍謄本などの証明書類が一式そろっていれば、相続人一人で請求できます。
パーソナリティ
ひょっとしたら借金が残ってるかもという場合は?
弁護士
借金は、誰にも知られたくないという方が多いので、実態を知るのは案外むずかしいです。
大切なものをしまっていそうな場所を調べて、契約書やカード、利用明細などを探します。見つからない、だけど怪しい…という場合は、借金やクレジット情報などを管理する信用情報機関に情報開示を求めることができます。信用情報機関に加入している業者であれば、そこから借金しているか、あるいは保証人になっているか、調べることができます。
パーソナリティ
私などには気の遠くなるような世界ですが、それでも、やらないといけないんですよね。
弁護士
おっしゃる通り、財産の種類や価値をきちんと調べないと、それぞれの相続人に「名義変更」できないんです。そして調査が終わったら、結果を目録にして、「遺産分割協議」に備えます。これでようやくスタートラインなんですね。
パーソナリティ
こうなると、最初から専門家の力を借りるべきですね。
弁護士
はい、ぜひご相談いただければと思います。

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