株式会社SFCGが民事再生 債権者への配当は高額を望めない状況

2009年02月24日
弁護士法人 法律事務所ホームワン

商工ローン最大手のSFCG(旧商工ファンド)は2月23日午前、東京地裁に民事再生法の適用を申請し、受理されました。
負債総額は約3380億円に上り、今年最大の倒産事件となります。

大島健伸会長は同日、都内で記者会見し、「3年前の貸金業法改正でいわゆる過払い金の請求が大幅に増加して、多額の引当金を積む必要に迫られたうえ、金融危機によって新たな資金調達が困難となり、自主再建を断念した。」と述べ、その上で民事再生手続きが軌道に乗った時点で、辞任する意向を明らかにしました。
今後は、裁判所の監督のもとで再建を支援するスポンサーを探すとのことです。

SFCGは、中小・零細事業者向けに、銀行などより高い金利で運転資金を融資する商工ローンの大手で、平成11年に東京証券取引所の第1部に上場しました。
その後、強引な取り立てなどが社会問題となった後の平成14年に、社名を商工ファンドからSFCGへと変更しました。
しかし、昨年7月、米国投資銀行リーマン・ブラザーズが経営破綻し、同銀行から多額の融資を受けていたSFCGは一括返済を迫られ、資金繰りが急速に悪化しました。そのため、SFCGは昨年の9月以降、遅れることなく返済している貸付先に、難癖をつけ一括返済を求めるという、違法かつ無謀な手段で運転資金を確保する手に打って出ました。このような方策が功を奏するはずもなく、今般破綻したものです。

なお、負債総額として発表された約3380億円には、
1.SFCG代理人弁護士によれば、過払い金は含まれていないとのことであり、
2.営業貸付金2422億円が既に証券化され、その保証債務残高が2404億円あります。

他方、貸借対照表にある平成20年7月末時点での営業貸付金4710億円中、3981億円が譲渡担保に供されています。このように多額の簿外債務があるとともに、資産の中心をなす営業貸付も担保に提供されており、一般債権者への配当は高額を望めない状況にあります。