文化放送『くにまる食堂』に笹森麻美弁護士が出演/704回テーマ 「航空法改正とドローン」編

2022年10月25日
弁護士法人 法律事務所ホームワン

弁護士の笹森です。

今回は「航空法改正とドローン」というテーマでお話をしてきました。

ドローンは空からの撮影や様々な調査、農薬の散布など、基本的には私たちの日常生活にとても役立つものです。しかし、最近ではロシア軍が「自爆ドローン」でウクライナを攻撃した、というニュースがあったように、使い方次第では危険なものとなることから、いろいろな法規制も行われています。

爆弾で攻撃など言語道断ですが、相手を傷つける意図はなくても、万が一、操縦不能になった場合、墜落の危険性もあるわけです。そこで、ドローンは航空法によって規制されることになり、法律的には「無人航空機」に該当します。

無人航空機は、2015年の改正航空法で、「人が乗ることができない飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船であって、遠隔操作または自動操縦により飛行させることができるもの」と定義されており、今年6月の法改正により、重さ100g以上の機体が「無人航空機」の扱いとなりました。

ドローンも自動車のように、所有者情報と機体情報を登録して、機体には個別の番号を付与する制度が作られています。100g以上のドローンを持つには、氏名や住所、機種などを国土交通省に申請して、個別の登録記号、IDの通知を受けなければなりません。

以前は、墜落事故などの際、誰のドローンかわからなくて、安全上の必要な措置が取れず困ることが多かったのです。今では持ち主がすべてわかる仕組みになっていますから、制度上は、安全安心にドローンを利用できるようになり、さらに活用の範囲も大きく広がることになりました。

ドローンの屋外飛行は4つのレベルに分かれています。レベル1は、目視、目で見える範囲内で操縦して飛ばす場合。レベル2は、同じく目視の範囲内で、自動自律飛行させる場合。レベル3は、無人地帯で、目視の範囲外で、自動自律飛行させる場合。レベル4は、有人地帯で、目視の範囲外での飛行の場合です。

しかし、レベル4は今までは禁止されていたのですが、今回の法改正で、できるようになる見込みです。レベル4ができるようになると、都会でドローンによる配送ができたり、インフラ点検とか、災害支援などの活用法が考えられます。ただ、その反面、安全保安面のリスクも大きくなってきます。

ドローンの免許については、これまでは民間資格だったのですが、今年12月5日から国家資格になることが決まりました。この免許を持っている人は、レベル4の操縦が許されるので、利用価値が広がっていくことになります。ドローン利用は「空の産業革命」と呼ばれており、いろいろなビジネスチャンスもありそうですし、面白い利用法も続々と登場してきそうです。

◇日時
 毎週火曜 11:31~
◇放送局
 文化放送
◇番組名
 『くにまる食堂』
◇コーナー名
 「日替わりランチ ホームワン法律相談室」
◇704回テーマ
 「航空法改正とドローン」
◇出演
 番組パーソナリティ 野村邦丸さん 
 法律事務所ホームワン 笹森麻美弁護士