文化放送『くにまるジャパン 極』に中原俊明代表弁護士が出演/663回テーマ 「風評被害について」編
2022年01月04日
弁護士法人 法律事務所ホームワン
弁護士の中原です。
明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。
さて、新年最初の『くにまるジャパン極』では、ネットで風評被害を受けたときの対策についてお話をしました。ネットで風評被害を受けたときには、その書き込みに対して、 「削除請求」をすることができます。一度ネットに書かれると、そのままずっと残ってしまうイメージがあると思いますが、現在では、正しい手順を踏めば、削除できる可能性があります。ただ、書き込みを削除させるのは、かなり手間がかかります。
削除請求をしたい場合、まず,書き込みのあるサイトをよく見て、運営会社の情報を探し,サイトの管理者や、データを管理するホスティングプロバイダに削除を依頼するところから始めます。連絡先のメールアドレスなどが突き止められれば、オンラインで削除の依頼をすることができます。お金もかからず、すぐに相手に届くので、簡単でスピーディです。
依頼しても削除されない場合、次の手段として,送信防止措置依頼書という書類を送ります。正式には「侵害情報の通知書兼送信防止措置依頼書」という、ICT関連企業の業界団体であるテレコムサービス協会が用意している書式に必要事項を記入し、サイトの管理者や、ホスティングプロバイダに郵送する方法です。受け取った管理者などは、問題の書き込みをした人に対して、「書き込みを消してもいいかどうか」という問い合わせをします。だいたい1週間の期限が区切られていて、反論がなければ、削除されることになります。書き込みを消すのは嫌だ、と、反応があっても、きちんとした理由が記されておらず、送信防止を訴えてきた人の権利が不当に侵害されていると管理者が判断すれば、書き込みは削除されることになっています。
そこまでしても削除されない場合,最終的には「削除仮処分」の方法を取らなければなりません。裁判所に訴えて、権利侵害が一応認められると判断された場合、裁判所は「削除を仮に認める」という暫定的な決定を出します。この際、およそ30万円から50万円程度の担保金が必要ですが、これはあとで手続を踏めば還付されます。通常の裁判と違って、2か月で結論が出ますし、仮処分と判断されれば、ほとんどは削除に応じ、再び書き込まれることも稀です。
オンラインにせよ、送信防止措置依頼書にせよ、また裁判所に削除仮処分を訴える場合も、その書き込みが、被害を受けた方のどんな権利がどう侵害されているのかを、きちんと法的観点から説明しなければ説得力はありません。ネットで書き込み削除を求める場合は、一刻も早く弁護士に相談することをお勧めします。
◇日時
毎週火曜 9:45~
◇放送局
文化放送
◇番組名
『くにまるジャパン極』
◇コーナー名
「得々情報 暮らしインフォメーション ホームワン法律相談室」
◇663回テーマ
「風評被害について」
◇出演
番組パーソナリティ 野村邦丸さん
番組火曜日パートナー 西川文野さん
法律事務所ホームワン 中原俊明弁護士