文化放送『くにまるジャパン 極』に中原俊明代表弁護士が出演/660回テーマ 「相続財産に不動産があったら」編

2021年12月14日
弁護士法人 法律事務所ホームワン

弁護士の中原です。

今週の『くにまるジャパン極』では、先週に引き続き、相続関する話をしました。

例えば,父が亡くなり,その相続人が男兄弟3人だったとします。
相続財産に父名義の不動産がある場合、遺産分割協議がまとまるまでの間、その不動産の権利関係は、法律的には、相続人それぞれが3分の1ずつ共有していることになります。相続人のうち,長男だけは,父が健在のときから, ずっと家賃も払わず父親とずっと同居していたとして、父親が亡くなり,相続が始まってからも住み続けていた場合,

二男と三男が共同して、タダで住み続けている長男に対して、出ていけ、と言えそうですが、そうではありません。なぜ言えないかというと,共有不動産の場合は、持分が3分の1であっても、100分の1であっても、その持分を根拠として、不動産全部を使用する権利があるためなのです。
では、出ていけ,と言えないのなら,家賃相当分くらいは支払ってほしい,と思うのが普通ですが,
裁判所の考え方は、相続人の1人が、被相続人の許諾を得て、相続財産である建物に同居して来た場合、特段の事情がない限り、相続が開始した後も、遺産分割協議で所有者が最終的に確定するまでの間は、「タダで住んでも良い」という合意があったと考えられる…としています。裁判所的な言葉を使っていえば、「建物の所有者が最終的に確定するまでの間、被相続人と同居していた相続人に建物を無償で使用させるという合意があったと推認される」として、そのように考えることが、「被相続人及び同居の相続人の通常の意思に合致する」とされています。つまり、亡くなられた父親の気持ちに寄り添う形で、裁判所も考えている、ということです。

相続が発生する前から、ご相談いただく方が、解決への近道になる場合があります。ホームワンにお気軽にご相談いただければと思います。

◇日時
 毎週火曜 9:45~
◇放送局
 文化放送
◇番組名
 『くにまるジャパン極』
◇コーナー名
 「得々情報 暮らしインフォメーション ホームワン法律相談室」
◇660回テーマ
「相続財産に不動産があったら」
◇出演
 番組パーソナリティ 野村邦丸さん
 番組火曜日パートナー 西川文野さん
 法律事務所ホームワン 中原俊明弁護士