文化放送『くにまるジャパン 極』に久保真衣子弁護士が出演/658回テーマ 「弁護士に相談・依頼するタイミング」編

2021年11月30日
弁護士法人 法律事務所ホームワン

弁護士の久保です。

今週の『くにまるジャパン極』では、様々な問題が起きたとき,いつ弁護士に相談・依頼したほうがよいか,そのタイミングをテーマでお話しました。まず,問題が起きたとき,弁護士への相談は早くすることをお勧めします。ただ弁護士は、最悪の場合裁判になることを念頭に置いています。法廷で必要になるのは「客観的な証拠」ですから、裁判以前に話し合いで解決できるようなケースでも、ある程度客観的な証拠がないと適切なアドバイスをするのは難しいのです。それでも,離婚を考えている場合は、早目に相談したほうがいいです。

その理由として,離婚事件の場合は、客観的な証拠は財産資料等になりますが、別居した後だと、資料集めに自宅に戻るのも難しくなり,資料収集が大変となります。しかし,同居中なら、どんな資料が必要かを案内できますので、今後,別居を考えている,というときに相談にきていただくと,アドバイスがしやすいです。

次に,証拠をつかんでから相談いただく方がいいケースとして、金銭を請求する事件、具体的には,不貞の慰謝料、賃料請求、貸金返還請求です。これらは,先に証拠がないと難しいのです。逆に,証拠さえあれば、すぐ裁判に持ち込むこともできますが、人には「感情」というものがありますから、まずは交渉、話し合いからスタートすることをお勧めしています。ただ,弁護士などの専門家を入れず,当事者の話合いだけで、合意書などを作ってしまうと、後から紛争が起きる原因になりやすいので注意が必要です。また、こちらは話し合いで何とかしたいと思っていても、応じてこない人もいるので、証拠が手元にあるのなら、なるべく早い段階でご相談いただくほうがよろしいかと思います。

反対に、争いごとで、相手から請求されることもあります。例えば,お金などを請求される場合は、3つの段階に分けて考えることができます。借りたお金を返してくれ、と言われるケースですと、貸した本人から通知が来るか、代理人の弁護士などから来るか、調停や裁判になりましたと連絡が来るか、この3つです。もし、借金を返せという内容証明郵便が届いた場合,すぐにその内容証明郵便をもって法律事務所に相談に行くことをお勧めします。なかには,「こんなの根拠がない」と無視してしまう人も多いのですが、それは絶対にしてはいけません。相手の感情を害していきなり裁判に持ち込まれる、というケースもこれまでたくさん見てきています。まずは弁護士に相談して、自分自身で返事を出すのが第一段階。そこで相手の出方を見て、もし相手が弁護士を付けてきたら、その段階で、同じように弁護士に依頼するのがベストです。

もし、裁判所から書類が届いたら場合は、一刻も早く弁護士に相談されることをお勧めしたいです。裁判所の書類にきちんと対応しないと、自分の知らないところで不利益になる判断をされてしまう可能性が高いと思います。自己流で答弁書を書いて裁判所に出してしまう人もいますが、知らないうちに自分に不利益になる危険が大いにあります。そうなってから弁護士に相談しても挽回は非常に困難です。もし裁判所から書類が届いたら、たとえ身に覚えがなくても、まずホームワンなどの法律事務所にご相談いただけければと思います。

◇日時
 毎週火曜 9:45~
◇放送局
 文化放送
◇番組名
 『くにまるジャパン極』
◇コーナー名
 「得々情報 暮らしインフォメーション ホームワン法律相談室」
◇658回テーマ
「弁護士に相談・依頼するタイミング」
◇出演
 番組パーソナリティ 野村邦丸さん
 番組火曜日パートナー 西川文野さん
 法律事務所ホームワン 久保真衣子弁護士