文化放送『くにまるジャパン 極』に笹森麻美弁護士が出演/641回テーマ 「事業存続計画(BCP)とは」編

2021年07月27日
弁護士法人 法律事務所ホームワン

弁護士の笹森です。

今週の『くにまるジャパン極』では、企業経営に関する「事業存続計画」をテーマにお話しました。事業存続計画は、BCPとも言います。これは英語の  ビジネス・コンティニュイティ・プラニングの略ですが、要するに、会社が自然災害や大火事、テロ攻撃といった緊急事態に見舞われた場合どうするか、という話です。万が一のことがあっても、倒産や廃業を避けるため、会社の中核事業だけを維持し、再建を目指す計画です。今まさに、コロナで危機的影響を受けている企業も多いですが、こうした場合、どうやって経営を維持していくかの計画、つまりBCPを、平常時に予め作っておくのが大切です。

BCPがあれば、コロナで危機的状況に陥ったとしても、中核事業に集中すれば、危機的状況を何とか乗り越えられます。有事の際に威力を発揮することは言うまでもないのですが、BCPを作っておくと、それ以外の時にも役立ちます。BCPは会社が「これだけは守りたい」という中核事業を確定し、何か問題が起きればその事業だけに資本を集中し、他の事業はコスト削減を図り、会社の存続を目指すプランです。つまり、BCPはその会社にとって何が大切なのか、会社の理念は何か、採算部門と不採算部門の見極め、なぜ不採算部門なのかといった、会社の実業を把握することから始まるため、BCPを作っていくことが、会社の現状把握につながり、問題点や改善のヒントなどをつかむことができるんです。

具体的には、まずは中核事業を確定します。

・売上に最も寄与している事業
・シェアや会社の評判を維持するために必要な事業
・想定する危機的状況に、より影響が少ない事業

などの基準で判断していきます。究極的には、会社が大切にしている価値が  問われます。その後、人、モノ、サービス、情報、お金などの要素から、業務継続に不可欠な経営資源を選んでいきます。中核事業が決まったら、次は「具体的に何をするか」。危機が起こった際の目標復旧時間とレベルを決めておきます。操業軸と時間軸でそれぞれ、損失を許容できるラインを決め、そこを越えないためには、いつまでに復旧すればいいのか、どこまでクオリティを維持すればいいのかなどを決めて、同時に、想定できるリスクも洗い出しておきます。

たとえば大地震を想定するのであれば、拠点を複数化できるか、代替設備やアウトソーシングは可能か、といった具体策の検討です。ここで戦略が固まったら、BCP発動基準と発動時の体制を決めて文章にすれば完成になります。

ホームワンでは定期的に企業経営者向けのオンラインセミナーを開催しています。企業法務サイトでご案内していますので、ご覧いただければと思います。

【出演情報】
◇日時
 毎週火曜 9:45~
◇放送局
 文化放送
◇番組名
 『くにまるジャパン極』
◇コーナー名
 「得々情報 暮らしインフォメーション ホームワン法律相談室」
◇641回テーマ
「事業存続計画(BCP)とは」
◇出演
 番組パーソナリティ 野村邦丸さん
 番組火曜日パートナー 松井佐祐里さん
 法律事務所ホームワン 笹森麻美弁護士