文化放送『くにまるジャパン 極』に笹森麻美弁護士が出演/632回テーマ 「離婚と財産分与」編

2021年05月25日
弁護士法人 法律事務所ホームワン

弁護士の笹森です。

今週の『くにまるジャパン極』は、離婚に関するお話をしました。離婚したいと思っても、離婚をするにはさまざまな条件を決めなければならず、本当に「面倒」なものです。それでも、去年はおよそ20万組が離婚しています。

「離婚条件」を決めるときに、モメるのが普通です。お子さんがいれば、親権はどちらもつのか、また子どもを引き取らない側との面会交流をどうするか。さらに争いの元となるのがお金に関することで、子どもの養育費、財産分与、不貞行為や暴力があれば慰謝料、さらに年金分割といったところが問題となります。

財産分与ですが、夫婦の共有財産を、基本的には半分に分けます。婚姻中に夫婦が協力して築いた財産が「共有財産」なので、別れるときは平等にわける、という考え方です。結婚している間に、家を購入されたご夫婦も多いと思いますが、たとえ旦那様の単独名義でも、これは奥様との共有財産です。例えば、夫が会社員、妻が専業主婦という場合、ローン返済は全部夫の支払い、それなのに家は半分妻が持って行ってしまうというのは、不公平だと思われる男性もけっこういらっしゃるようです。ただ、働いて給料をもらう経済活動はお金という形になりますが、家事労働は目に見えません。経済活動だけを評価してしまうと、家事労働だけやっていた主婦には不公平になってしまいます。

とはいえ、今は共働きが多く、婚姻形態も様々です。民法の原則通りだと不公平になり過ぎるケースも多いです。特に若いカップルの場合、結婚後もお互いの貯蓄や資産形成に  関知しないで、相手がどれくらい資産を持っているか知らない… というケースも多いようですが、実はそうした場合でも、基本的には全部「共有財産」ということになってしまいます。

この点に違和感を覚えられる方もいるかと思いますが、夫婦である以上、どこかで協力する部分は出てきます。そうすると、どちらが働いて稼いだお金であろうと、結局は「二人のお金」である、というのが基本的な考え方になります。民法には「夫婦のいずれに属するか明らかでない財産は、その共有に属するものと推定する」という規定があります。  自分が築いた資産が共有財産でないと主張したい場合は、民法の「推定」を覆す立証が求められることになります。

財産分与は、子どもの親権争いと並んで離婚の最大の難関です。法律的にも微妙で専門性が高いところなので、ぜひとも専門家、ホームワンにご相談いただきたいと思います。

  
【出演情報】
◇日時
 毎週火曜 9:45~
◇放送局
 文化放送
◇番組名
 『くにまるジャパン極』
◇コーナー名
 「得々情報 暮らしインフォメーション ホームワン法律相談室」
◇632回テーマ
「離婚と財産分与」
◇出演
 番組パーソナリティ 野村邦丸さん
 番組火曜日パートナー 西川文野さん
 法律事務所ホームワン 笹森麻美弁護士