文化放送『くにまるジャパン 極』に宮本尚紀弁護士が出演/629回テーマ 「成年年齢引き下げ」編

2021年05月04日
弁護士法人 法律事務所ホームワン

弁護士の宮本です。

今回の『くにまるジャパン極』では、以前にも取り上げた「18歳成年」をテーマにお話しました。来年の4月1日から成年年齢がいままでの20歳より2年早まり、18歳となります。民法の定める「成年年齢」は、単独で契約を締結できる年齢、そして親権に服することがなくなる、ざっくり言えば、親が面倒をみなくてもよくなる年齢という意味を持ちます。  明治9年(1876年)に出された太政官布告で、成年年齢は20歳と定められて以来、実に145年ぶりの大改革ということになります。ただし、飲酒や喫煙については、健康被害が懸念されることから、これまでと同じく20歳以上なので、注意が必要です。

なぜ、このタイミングで変更するのかというと、既に選挙権は5年前から18歳以上となったことから、18歳、19歳の皆さんが政治に参加する場も増えてきています。  また世界的にも、成年年齢は18歳が主流です。こうした流れを踏まえて、市民生活の基本法である民法でも、18歳以上をオトナとして扱うのが適当、となってきた訳です。

具体的な民法上の変化ですが、先ほどもお伝えした「単独で契約を締結できる」ところが大きいです。お店で買い物をするのは民法的には「売買契約の締結」、これは未成年でも小遣いの範囲内であれば、いちいち親権者の同意を得る必要はありません。コンビニでガムを買うのに、親に電話をかけて許可をもらう子どもはあまりいません。でも、スマホを買うということになると事情は違い、親の同意が必要でした。来年4月1日以降は、小遣いの範囲内かどうか、にかかわらず、18歳、19歳でもスマホの契約やアパートを借りる、カードを作る・・・といったことが親の同意を得ずに可能になります。

単独で契約を締結できるとなると、悪徳商法などに引っかからないように注意が必要です。以前から、20歳になった途端にトラブルに巻き込まれる人は少なくありませんでした。たとえば美容専門クリニックの「初回・格安でお試し」というネットの広告を見て出かけると、「20回受けないと効果が出ない」としつこく勧められて、数十万円分を申し込んでしまったという人が後を絶ちません。そこで国は中学や高校で消費者教育に力を入れて、契約の重要性や相談窓口である消費者ホットラインの番号、全国共通の3ケタ番号「188」を教えたりしています。
しかし、よほど注意深くしていないと、被害に遭ってしまう可能性がありますので、怪しいと思ったり、もし引っかかってしまったら先ほどの消費者ホットライン「188」に電話する、あるいは当事務所にご相談いただければと思います。

【出演情報】
◇日時
 毎週火曜 9:45~
◇放送局
 文化放送
◇番組名
 『くにまるジャパン極』
◇コーナー名
 「得々情報 暮らしインフォメーション ホームワン法律相談室」
◇629回テーマ
「成年年齢引き下げ」
◇出演
 番組パーソナリティ 野村邦丸さん
 番組火曜日パートナー 西川文野さん
 法律事務所ホームワン 宮本尚紀弁護士