文化放送『くにまるジャパン 極』に中原俊明代表弁護士が出演/626回テーマ 「民法改正による交通事故処理に関係する消滅時効制度の変更」編/ホームワンの弁護士へ

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文化放送『くにまるジャパン 極』に中原俊明代表弁護士が出演/626回テーマ 「民法改正による交通事故処理に関係する消滅時効制度の変更」編

2021年04月13日
弁護士法人 法律事務所ホームワン

代表の中原です。

今回の『くにまるジャパン極』では、交通事故関連のお話をしました。去年の4月1日から新しい民法が施行されたことで、いろいろな変化が起きましたが、その1つが、人身事故に関する損害賠償請求の時効期間です。
以前までは,人身事故に関する損害賠償請求の時効は3年だったのが、去年の4月から5年に変更になりました。法律的に言えば「交通事故処理に関係する消滅時効制度の変更」です。消滅時効というのは、権利をほったらかしにしたままにしておくと、一定の期間が過ぎてしまった時点で,その権利が消えてしまうということで、人身事故に関しては、それが3年から5年に伸びました。

人身事故は変わったのですが、物損事故ついては、これまで通りの3年のままで変更されませんでした。人の命や体は、財産よりも保護すべき必要性が高いこと、また、もし事故に遭って深刻な被害を受けると、権利を行使するのが難しくなること、などが理由です。

新しいルールは、去年の4月以降の事故から適用されます。ただ、それ以前の事故でも、去年4月1日時点でまだ3年の消滅時効が完成していなければ新ルールが適用されます。  分かりやすく言えば、平成29年、2017年4月1日以降の交通事故は、発生から5年は人身損害の賠償を請求できます。

たとえば「ひき逃げ」の場合、加害者が誰かわからない場合は、消滅時効のカウントは始まらず、加害者が判明した時点で、初めて時計が動き出す仕組みです。以前は、犯人の正体がつかめなくても、事故に遭った翌日から20年が過ぎると、権利が消えてしまうとされていました。これを法律用語では「除斥期間」と呼びます。「除斥期間」については、これまでは、判例の積み重ねで、権利が消えてしまわないよう、それを遅らせる方法が判断されていた部分でしたが、新しい民法は、この20年を「消滅時効である」と明記しましたので、その完成を止める手続ができるようになりました。こちらも、去年4月1日の時点でまだ20年経過していない場合、新しいルールが適用されます。

簡単に言うと、いずれにしても、以前に比べて、被害者が保護されるようになったということです。ただ注意すべきところもあって、今回の改正で消滅時効期間が5年に伸びたのは、民法上の不法行為に基づく損害賠償請求権に限られます。これは通常,加害者が入って
いる任意保険の会社に請求する場合のものですが、一方で、交通事故事件の処理では、加害者が入っている自賠責保険の会社に請求したり、被害者自身が入っている任意保険の会社に請求する場合もあるわけですが、こうした請求権の時効は、3年のままですから、注意してください。

いろいろな事情で、事故に遭ってもすぐ対応できない場合、どういう請求がベストか、時効はいつかなど、ホームワンにご相談いただくことをお勧めします。民法の改正で以前と違う部分も多くなっていますので、弁護士であれば、最新の情報・知識で対応することが可能です。

【出演情報】
◇日時
 毎週火曜 9:45~
◇放送局
 文化放送
◇番組名
 『くにまるジャパン極』
◇コーナー名
 「得々情報 暮らしインフォメーション ホームワン法律相談室」
◇626回テーマ
「民法改正による交通事故処理に関係する消滅時効制度の変更」
◇出演
 番組パーソナリティ 野村邦丸さん
 番組火曜日パートナー 西川文野さん
 法律事務所ホームワン 中原俊明弁護士