文化放送『くにまるジャパン 極』に中原俊明代表弁護士が出演/625回テーマ 「建築紛争」編

2021年04月06日
弁護士法人 法律事務所ホームワン

代表の中原です。

今回の『くにまるジャパン極』では、住宅をテーマにお話しました。
工務店に依頼して建てた注文住宅が、いざ完成してみると、希望していたものと違っていた、というケースがあると思います。住み心地を左右する光の加減や、風の吹き抜け、音の具合など、感じ方は人によって様々なので、注文者の想いが設計者にうまく伝わっていなかったことが、トラブルの原因になってしまうことはよくあります。
また,それは別に、好みとは関係なく、日常生活に支障が出るような不具合があったり、契約の内容とは違う仕上がりだったりしたら、これは直してもらいたいと、誰でも思うのではないでしょうか。

具体的に多いトラブルとして、「契約不適合」というのがあります。たとえば壁の仕上げが契約と違うとか、また建物の基礎に建築基準法違反がある、など,これは外から見ただけではわからないモノで、住んでいるうちに家が傾いてきて手抜き工事だったことが判明したりします。ただ、住む側からしてみると「不具合」に思えることでも、建てた側から見れば違う主張ができるケースもよくあります。

たとえば,さきほどの「壁の仕上げが違う」という話の場合、工務店にしてみれば、予算の範囲内で、最大限、契約内容に添って施工しているので問題ない、ということもあります。専門知識がないと分からないことも多いため、注文者と業者の間できちんと意思疎通ができていれば、100%避けられるというものでもないのが難しいところです。

もし不具合が見つかったら、法律上、不具合を知った時から1年以内の請求が定められているため,業者に対して、修繕や損害賠償などを求めることはできますが、まずは、率直に、「ここがきちんとできていません」と指摘するのが大切です。相手側も、早ければ早いほど、対応はしやすいと思います。
また,新築住宅は注文でも建売でも、基本構造部分の不具合は引き渡しから10年は、業者が責任を負うことになっています。

業者が真摯な対応をしてくれない時は、住宅関連のトラブル相談機関としては、独立した第三者機関である「住宅リフォーム・紛争処理支援センター」で、裁判によらず紛争を解決することが可能ですが、まずは弁護士へのご相談をお勧めしたいと思います。この種のトラブルの中には、裁判によらなければ解決が難しいケースもありますし、交渉の進め方もテクニックが必要です。また、工務店側も顧問弁護士を置いているケースの場合、弁護士を通さず、個人で対応することは難しいです。多少の費用はかかったとしても、資産である家を守ることは、長い目で見てプラスになると思います。ちなみに裁判所は、住宅トラブルについては、建築士など専門家の意見を取り入れ、公平な解決に至るケースがほとんどです。新築住宅にトラブルが見つかったら、なるべく早い段階から法律の専門家にアドバイスを受けるのがよいでしょう。

【出演情報】
◇日時
 毎週火曜 9:45~
◇放送局
 文化放送
◇番組名
 『くにまるジャパン極』
◇コーナー名
 「得々情報 暮らしインフォメーション ホームワン法律相談室」
◇625回テーマ
「建築紛争」
◇出演
 番組パーソナリティ 野村邦丸さん
 番組火曜日パートナー 西川文野さん
 法律事務所ホームワン 中原俊明弁護士