文化放送『くにまるジャパン 極』に中原俊明代表弁護士が出演/624回テーマ 「自己破産と免責手続き」編

2021年03月30日
弁護士法人 法律事務所ホームワン

弁護士の中原です。

今回の『くにまるジャパン極』では、「自己破産」のお話をしました。今ホームワンには、コロナの影響もあって、自己破産の相談が増えています。相談のなかには,失業や減収によって支払ができなくなったという方も多くいますが,これまでと同様に、ギャンブルが原因というケースも少なくありません。ギャンブルなどで借金をしてしまった場合,借金の理由が失業や減収による生活費のために借入したのではなく遊びのためなので、自己破産は出来ないのではないかと心配されている方が多くいます。

まずはしっかりと理解することが大切ですが,自己破産の手続きは,法律的には少々込み入っているので、詳しく説明します。

個人が破産する場合は、正式には「破産手続」そして「免責手続」の、2つの手続きを同時に進めることになります。「破産手続」は、簡単に言えば、その時点で持っている財産を現金化して債権者に配る清算の手続き。そして「免責手続」は、それでも残ってしまった借金を、棒引きしてもらう手続きです。法律的には分かれていますが、実際は裁判所に同時に申し立て、進めて行くので、ふたつの手続きをまとめて「自己破産」と呼んでいる場合も多いです。

「免責手続」には「免責不許可事由」というのがあって、ギャンブルのほかにも、買い物などの浪費や、株・FXなどの投資がそれにあたり、これらが原因での破産では、免責が認められない「可能性」があります。ただ、破綻の原因が免責不許可事由に当てはまるとしても、裁判官が様々な事情を考慮して「認めてもいい」と判断すれば免責されます。少し前、2014年の調査ですが、東京地裁で免責が認められなかったケースは0.2%で、1000人に2人ということになります。これは、免責が認められないと借金の返済義務が残るので、経済的なやり直しが難しくなるため、新たな第一歩を踏み出すためにはできるだけ免責を認めるべきだ、という考え方があるためです。
そのため,ギャンブルなどが原因で借金をしてしまったとしても,ほとんどのケースが自己破産できているのです。

では、免責が認められないケースですが、例えば、最初から最後までずっとウソをついていたとか、破産管財人の調査に協力しなかったとか、裁判所への出頭をすっぽかしたりするなど,本人が、何とか苦境から抜け出したい、ゼロから生活をやり直したい、と心から考えていない場合が多いです。免責を認めてもらって、借金をゼロにするためには、自覚が必要だということだと思います。ギャンブルが原因で借金を繰り返し、破産申し立てまで追い込まれたとしても、ちゃんと反省して、もう同じ失敗は繰り返しません…と、誠実な態度をとっていれば、通常は免責が認められます。

ホームワンに破産の相談に来られる方は、だいたいの場合、ほかにもいろいろな不安や心配事を抱えていらっしゃることが多いです。それぞれの方にきちんと寄り添って、不安を1つずつ解消し、暮らしを立て直すお手伝いをしています。借金問題で悩みを抱えられている方は、ひとりで悩まず,できるだけ早く、ホームワンにご相談いただければ、その分、問題解決も早くなると思います。

【出演情報】
◇日時
 毎週火曜 9:45~
◇放送局
 文化放送
◇番組名
 『くにまるジャパン極』
◇コーナー名
 「得々情報 暮らしインフォメーション ホームワン法律相談室」
◇624回テーマ
「自己破産と免責手続き」
◇出演
 番組パーソナリティ 野村邦丸さん
 番組火曜日パートナー 西川文野さん
 法律事務所ホームワン 中原俊明弁護士