文化放送『くにまるジャパン 極』に中原俊明代表弁護士が出演/622回テーマ 「弁護士費用はだれが負担する?」編

2021年03月16日
弁護士法人 法律事務所ホームワン

代表の中原です。

今回の『くにまるジャパン極』では、「弁護士費用」についてのお話をしました。
現在、弁護士費用は自由化されていて、弁護士の報酬体系は事務所によって決めることができます。例えば、ホームワンでは、借金を完済した後の過払い金返還請求では、着手金はいただいていませんし、また、離婚事件等では着手金の分割払も可能、としています。

たとえば、交通事故の被害者となった場合、加害者のせいで、事故に遭ったわけですから、弁護士費用も加害者に支払ってほしいと思われる方は多いかと思います。しかし、日本の民事裁判は、弁護士に依頼して裁判するか、本人自ら行なうかは、その人の自由、と考えられているため、たとえ勝っても負けても、弁護士費用は自己負担と決まっています。

判決のなかに、「訴訟費用は被告の負担」と書いてあると思いますが、この「訴訟費用」とは、原則として弁護士費用は含まれておらず、裁判所に納める手数料、郵便料、訴状など書面の作成費用などを指します。
ただ、実際の裁判で弁護士に依頼しないケースはごくまれなので、交通事故のような、不法行為によって受けた損害の賠償を求める裁判については、弁護士費用も損害の範囲に含まれる、と裁判所も判断しています。しかし、認められる金額は、実際に負担した額ではなく、裁判所が認めた範囲内ということになっていて、賠償金額の1割程度となっています。

不法行為によって受けて損害賠償請求以外で、弁護士費用の賠償が認められない理由として、最高裁判所は、不法行為のように侵害された権利・利益の回復を求めるものではなく、契約の目的を実現して利益を得ようとするものであること、また契約を結ぼうとする人は、相手が義務を果たさないことを想定して契約の内容を決めることができる、といった点を挙げています。

事前にできる準備としては、例えば、自動車保険で「弁護士費用特約」を付けておくと、
万一事故に巻き込まれた場合でも、弁護士費用は保険から支払われます。また自動車保険以外でも、トラブルが起きた時の弁護士費用をまかなえる保険や特約も増えてきています。
今回の最高裁の判断がすべての契約に当てはまるかは分かりませんが、「備えあれば憂いなし」、ありとあらゆる事態を想定し、入念に準備しておくことは大切です。

【出演情報】
◇日時
 毎週火曜 9:45~
◇放送局
 文化放送
◇番組名
 『くにまるジャパン極』
◇コーナー名
 「得々情報 暮らしインフォメーション ホームワン法律相談室」
◇622回テーマ
「弁護士費用はだれが負担する?」
◇出演
 番組パーソナリティ 野村邦丸さん
 番組火曜日パートナー 西川文野さん
 法律事務所ホームワン 中原俊明弁護士