文化放送『くにまるジャパン 極』に笹森麻美弁護士が出演/619回テーマ 「問題社員対応セミナーのご案内」編

2021年02月23日
弁護士法人 法律事務所ホームワン

弁護士の笹森です。

今回の『くにまるジャパン極』では、コロナによる経営不振により、企業から人件費削減のため、従業員の退職についてや、解雇の相談が増えている、というお話をしました。人員整理をする場合、仕事を頑張ってくれ、会社に貢献してくれている社員を残し、怠けがちだったり能力不足だったり協調性がなかったりする、いわゆる問題を抱える社員から辞めさせたいという相談が多いです。

日本の労働は基本的に一つの会社で長く働いてもらう仕組みで、途中で辞めるのは労働者にとって不利益になってしまいます。そのため、簡単に辞めないし、なかなか辞めさせることもできません。法律の面でも、採用するという、入口の部分は自由ですが、逆に退職させるという出口の部分はとても不自由にできています。

問題となるのが、明らかに職務規律に違反していたり、懲戒事由に該当するような行為があれば、辞めさせることはそれほど難しいことではありません。でも「能力不足」や「協調性がない」「会社の悪口や批判ばかりする」、またルール違反ではあっても些細なものばかりというケースだけでは、辞めさせる理由にするのは難しいです。

そのため、まずは相手に「問題」をはっきりと指摘することが必要です。問題がある社員は、自分に問題があるとは思っていない場合が多いので、その行為が問題である、と明確に認識させなければなりません。その上で、会社は、その問題の改善要求をする。そして、改善がなされなかったら、退職してもらう…という流れに持っていくのがセオリーですが、最初から弁護士が関わっておくと、スムーズに辞めてもらえるやり方を的確にアドバイスできます。

特に解雇は法律的にも微妙な問題です。対応を誤り、裁判となれば、中小企業にとっては、かなりの負担となります。裁判では、「協調性がない」と言っても通用しません。まず、その社員に「問題発言をしません」という誓約書を取り、その誓約書の条項に違反した場合「いつ、どんな状況で、誰に、どんな発言をしたか」といったきちんとした証拠を提出して、やっと「協調性がない」という事実を立証できるわけです。また改善要求したとして、そのやり方がパワハラに当たらないか、そうした準備をしておく必要もあります。弁護士に相談した場合、最悪、裁判を想定して、どこまで改善要求をすればいいのか、どの時点で解雇できるのかの的確な判断ができるので、紛争に発展するリスクを最小限に抑えられます。

ホームワンでは、こういった問題を抱える社員に関するセミナーを開催します。
3月11日(木)、4月15日(木)、5月20日(木)の3回にわたって、
ZOOMを使用したオンラインで実施しますので、遠隔の方もご参加いただけます。オンラインセミナー特典として、ご参加者の方には1回の
無料労務相談の機会も設けていますので、ぜひご参加いただければと思います。詳しくは法律事務所ホームワンの公式ホームページ、企業法務サイトをご覧ください。

【出演情報】
◇日時
 毎週火曜 9:45~
◇放送局
 文化放送
◇番組名
 『くにまるジャパン極』
◇コーナー名
 「得々情報 暮らしインフォメーション ホームワン法律相談室」
◇619回テーマ
「問題社員対応セミナーのご案内」
◇出演
 番組パーソナリティ 野村邦丸さん
 番組火曜日パートナー 西川文野さん
 法律事務所ホームワン 笹森麻美弁護士