文化放送『くにまるジャパン 極』に中原俊明代表弁護士が出演/613回テーマ 「B型肝炎給付金制度」編

2021年01月12日
弁護士法人 法律事務所ホームワン

弁護士の中原です。

今回の『くにまるジャパン極』では、B型肝炎給付金制度のお話をしました。満7歳迄に受けた集団予防接種等により、B型肝炎ウイルスに持続感染してしまった方に、国が給付金を支払う制度で請求が認められた場合、症状や感染期間に応じて、50万から最高3600万円が支払われます。対象となるのは、昭和16年7月2日から昭和63年1月27日生まれの方です。
集団予防接種により、B型肝炎に感染した可能性のある方は、最大40万人以上にも達すると言われていますが、去年1月時点でたった4万7千人、まだ1割強の方しか請求していない状況です。

給付金を受け取るには裁判によって請求することが必要なのですが、現在の法律では、ちょうど1年後の2022年1月12日までに裁判を起こさなければなりませんが,裁判するのに必要な書類を集めたり、改めて検査を行なったりする必要もあるので、準備期間としては半年くらいかかってしまう可能性もあるので、できるだけ早くに手続をし始めたほうがいいと思います。

この手続には5つの要件があり、そのすべてに該当しているという事実が確認できる資料を用意する必要があります。そのなかでも,特に重要なものが2つあり,1つ目は「本人がB型肝炎ウイルスに持続感染(
キャリア)していること」、分かりやすくいえば、ウイルスがずっと体内に残っている人です。これを調べるには,血液検査で,B型肝炎ウイルスの抗原と抗体の検査が必要になります。もう1つは「母子感染ではない」ということです。母親がB型肝炎だと、出産時に感染してしまう可能性があり,もし母親からの感染だった場合は、集団予防接種が原因ではないことになり、対象外となります。母子感染ではないことを証明するためには、母親の血液検査が必要になります。ただ母親自身が集団予防接種による感染で、給付の対象となる場合、子どもは二次感染なので対象となる可能性もあります。

自分がB型肝炎キャリアだと知るきっかけとしてとしては,体調が悪くなり,病院にかかって分かるケースも多いですが、そのほかには,献血や会社などの健康診断、人間ドック、また別の病気で通院、入院したときに検査をして分かったというケースも結構あります。女性の場合は妊娠がきっかけということも多いです。
持続感染の確認には,血液検査のデータが必要ですから、健康診断などでB型肝炎だと言われた場合は、その資料を必ず残しておく、見つからなければ病院に問い合わせみるといいと思います。

ちなみに、慢性肝炎を発症した場合、治療薬が高額なため、各都道府県で「肝炎治療医療費助成制度」というものがあり、すでにこの制度の利用されている方や医師から利用を勧められた方は、給付金の対象になる可能性があると思います。
また今回の手続には、「追加給付」という制度があり、裁判で国と和解した後であっても症状が悪化した場合、手続をすれば、症状に応じて、追加で給付金が支払われます。自分はいま症状がないから手続はしなくてもいい,という方も、期限前に手続をして給付金を受け取っておけば、万一悪化した場合、追加給付を受け取れますから、ぜひ手続きをすることを検討してほしいです。

B型肝炎給付金制度に関するお問い合わせは、お気軽にホームワンまでお電話ください。

【出演情報】
◇日時
 毎週火曜 9:45~
◇放送局
 文化放送
◇番組名
 『くにまるジャパン極』
◇コーナー名
 「得々情報 暮らしインフォメーション ホームワン法律相談室」
◇613回テーマ
「B型肝炎給付金制度」
◇出演
 番組パーソナリティ 野村邦丸さん
 番組火曜日パートナー 西川文野さん
 法律事務所ホームワン 中原俊明弁護士