文化放送『くにまるジャパン 極』に中原俊明代表弁護士が出演/575回テーマ 「過払い金は6月でおしまい?」編

2020年04月18日
弁護士法人 法律事務所ホームワン

弁護士の中原です。

今週の『くにまるジャパン 極』では、今年の6月に大きな転機を迎える予定の「過払い金」についてお話しました。

ちょうど10年前の2010年6月に貸金業法が改正されて以降に借り入れをされた方は、過払い金は発生しませんが、それ以前から借り入れをしていれば、過払い金がある可能性が高く、中には数100万円戻ってくる方が、今もまだいらっしゃいます。
例えば、ご高齢の方の場合、取引が長い方は過払い金が多くなりがちなのですが、今年の6月を境に、どんなに高い過払い金があったとしても、激減、あるいは請求できなくなる可能性があるというお話です。

これは,時効の問題と総量規制の影響があります。

まず,総量規制というのは、金融業者は原則として、年収の3分の1までしかお金を貸してはいけないというルールです。そのため,当時,既に3分の1以上を借りていた人の中には、「今後はお貸しできません」ということになった方もいらっしゃると思います。
今回、過払い金が激減する可能性があるというのは、この総量規制に引っ掛かって借りられなくなった人たちになります。

次に時効についてですが,過払い金は、最後の取引きから10年経たないと時効にならないというのは広く知られていると思います。実は,これは「取引きが続いているうちはいつでも借り入れ可能なので、その間は時効は進まない」という裁判所の判断があるからです。ところが、借り入れできなくなった人は「いつでも借り入れができる状態ではない」ので、その時点から時効のカウントダウンがスタートしている、と考えることも可能です。それが2010年6月という訳です。

たとえば20年くらい前から過払い金が発生している人でも、請求してから遡って10年分しか請求できない事になります。20年あるうちの10年分ですから、単純に半額かと思うとそうではなく、年5%の利息がつくので、遡って10年分より、その前の10年分の方が断然高額です。そして、その高額の分が取り戻せなくなってしまうのです。もっと悲惨なのは、遡って10年分を正式な利率で借りていた場合、その間に過払い金は発生しませんので0円ということになってしまいます。

現在、裁判でもまだまだ争いがあります。あくまでも6月以降はこういう可能性がありますよ、という話の段階ですが、貸金業者側はいろいろな主張をしてくるのではないかと思います。総量規制が始まった時、源泉徴収票など収入証明の提出を求められても応じなかった方、また理由は不明で、なぜか借り入れができなくなった方などは、注意が必要です。せっかく取り戻せるものが回収できなくなったり、一部が減ってしまったりする可能性が十分にあるわけです。

裁判所が貸金業者の主張を認めるかどうかは不確実ですが、業者が主張してくる可能性はかなり高いと思っています。ホームワンでは20万件の相談実績がありますし、過払い金の相談は何度でも無料ですので、早めのご相談をお勧めします。

【出演情報】
◇日時
 毎週火曜 9:45~
◇放送局
 文化放送(関東エリア)
◇番組名
 『くにまるジャパン極』
◇コーナー名
 「得々情報 暮らしインフォメーション ホームワン法律相談室」
◇575回テーマ
「過払い金は6月でおしまい?」
◇出演
 番組パーソナリティ 野村邦丸さん
 番組火曜日パートナー 西川文野さん
 法律事務所ホームワン 中原俊明 代表弁護士