文化放送『くにまるジャパン 極』に中原俊明代表弁護士が出演/548回テーマ 「外国人雇用と労務トラブル」編

2019年10月08日
弁護士法人 法律事務所ホームワン

代表の中原です。

今日の『くにまるジャパン極』では、外国人労働者にまつわるお話をしてきました。入管法の改正により、人手不足が深刻化している業種で、外国人労働者の受け入れが出来るようになりました。外国人を雇用する上で、会社が気をつけなければいけないことは、外国人労働者も、日本で雇用される以上は「労働基準法」や「労働契約法」など、労働に関係する法律の適用対象となることです。雇用契約書の中で、「日本の法律が適用されますよ」と明記するのが望ましいでしょう。その他にも、外国人の場合、やはり言語の壁があります。「改正外国人雇用管理指針」では、労働条件の通知は、本人が希望すれば電子メール等を用いること、母国語その他当該外国人が使用する言語または平易な日本語を用いるよう努める…といったことが決められています。外国人労働者向けのモデル労働条件通知書は、厚生労働省のウェブサイトに公開されていますので参考になります。英語、中国語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語、タガログ語、インドネシア語、そしてベトナム語が揃っています。

就業規則の周知義務についても、外国人労働者の場合は、分かりやすい説明書や、行政機関が造っている多言語対応の広報資料を使ったり、母国語等を用いて説明する…といった配慮が必要とされています。労働慣習も日本と違いますから、労働条件を詰めたり、就業規則を作っていく段階でも配慮が必要となってきます。

労働時間管理については、外国人も日本人も同じですが、外国人の場合、残業することに抵抗があるなど、残業命令を拒否される場合がありますので、十分な説明・理解が必要です。外国人労働者の中には、在留資格の関係で、短い時間しか就業できない人もいますので、在留カードや資格外活動許可書などをチェックして、許可されている就業時間を確認する必要があります。

外国人労働者を解雇する場合には、日本人労働者では生じない問題が発生することが予想されるので、より注意が必要です。労働基準法では「労働者の国籍、信条または社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない」と決められています。外国人に対する解雇が、この規定に触れないよう注意しなければなりません。問題がある外国人を解雇する場合も、日本語能力の低さやコミュニケーション不足を理由にすると、無効の判断が出る可能性があります。そうなると、解雇から無効の判断が出るまでの期間について、賃金相当額の支払いが命じられるなど、会社側には大きな痛手となりかねません。最終的に解雇するにしてもそこまでの指導や助言の仕方を工夫しておく必要があります。

外国人労働者の受け入れが本格化した今、外国人労働者の労務問題や労働紛争は増加することが予想されます。雇用契約書、就業規則の見直しだけでなく、就業規則をどのように運用していくか、問題のある外国人労働者にどのように対処していくべきなのかについては、裁判実務に精通した弁護士の力が不可欠となります。
ホームワンには労務に力を入れた企業法務部門もあります。外国人労働者問題の対応にも力を入れていますので、お悩みの方、ぜひご相談においでいただきたいと思います。

【出演情報】
◇日時
 毎週火曜 9:45~
◇放送局
 文化放送(関東エリア)
◇番組名
 『くにまるジャパン極』
◇コーナー名
 「得々情報 暮らしインフォメーション ホームワン法律相談室」
◇548回テーマ
 「外国人雇用と労務トラブル」
◇出演
 番組パーソナリティ 野村邦丸さん
 番組火曜日パートナー 西川文野さん
 法律事務所ホームワン 中原俊明 代表弁護士