文化放送『くにまるジャパン 極』に山田冬樹代表弁護士が出演/517回テーマ 「解雇をめぐる法律問題」編

2019年02月27日
弁護士法人 法律事務所ホームワン

こんにちは。
代表の山田です。

先日の2月13日に、社会保険労務士向けにセミナーを開催しました。次は5月に実施する予定です。ご興味のある方は、お気軽に問い合わせください。

◆セミナーのご案内 対象:社会保険労務士
https://www.home-one.jp/kigyouhoumu/officeinfo/news/2019/02/2394


さて、昨日の『くにまるジャパン 極』では、セミナーでも触れた解雇をめぐる法律問題についてお話してきました。理不尽な解雇、“クビ”なんて、もちろん言語道断ですが、企業側の相談を受けていると、問題の多い社員は解雇したい、スムーズに解雇する方法を知りたいという話が少なくないのですが、現在の日本の法律は、終身雇用制の影響もあり、他の国と比べて、解雇に対して厳しい姿勢をとっています。
特に大企業の場合、採用は新卒者が中心ですから、解雇されて労働市場からはじき出されないようにという、日本特有の事情が法律にも反映されていると言えるのではないでしょうか。

報道等でご存知の方も多いと思いますが、最近は労働関係の裁判は増えています。東京地方裁判所でも、労働関係の部署が、4月から増設されることになりました。私も労働関係の事件を担当することがあり、働く側と会社側の両方の代理人を務めますが、最近は会社側の弁護が多くなっています。

労働事件は専門性が高いので、各地の地方裁判所でも専門の部署が設けられています。ほかの事件の裁判と違うのは「労働審判制度」というものがあって、せいぜい2回か3回、早ければ1回で終わることもあります。労働審判は裁判よりも解決が早いので、よく利用されます。
労働審判では、両方の当事者が、原則として1回目の裁判までに、自分たちの主張も証拠も全部出さなければいけません。その裁判で、裁判所が当事者に直接質問をして、証拠も見て、その日のうちに、どちらの主張を採るか判断を固めます。その判断をもとに、「調停」と言って、双方の妥協を促して、合意の成立を目指すことになります。

最後に、会社側が社員を解雇した後で、その解雇が有効か無効かを争った裁判をご紹介します。その社員は、会社の評価制度の中で、長い間下位10%に入り、また「積極性がない、意欲がない、自己中心的で協調性がない、態度が反抗的、融通がきかない」等の理由で解雇されましたが、裁判所は、解雇を無効だと判断しました。裁判所は、会社側の主張は、具体性に欠け、評価結果が低いという理由だけでは、解雇できないと考えたのです。もし迷惑をかけているなら、ちゃんと指導するとか、他の部署に異動させて適性を見るなどの努力が会社側に求められます。特に新卒者の場合は、そうしたことが不可欠です。

一方、中途採用だと、前の職場での経験を買って採用したものの、求める能力と実際の能力のギャップが大きく、改善の見込みもないという場合、やむなく解雇ということもあります。ただ、その場合、会社側は雇う際に「どういった能力が必要かをちゃんと明示していたかどうか」が問われることになります。

こういった問題はとてもデリケートです。会社側はいきなり解雇宣告をしないで、ホームワンにご相談いただくなり、まずは専門家へ相談してみてはいかがでしょうか。

【出演情報】
◇日時
 毎週火曜 9:45~
◇放送局
 文化放送(関東エリア)
◇番組名
 『くにまるジャパン 極』
◇コーナー名
 「得々情報 暮らしインフォメーション ホームワン法律相談室」
◇517回テーマ
 「解雇をめぐる法律問題」
◇出演
 番組MC 野村邦丸さん
 番組パーソナリティ 鈴木純子さん
 法律事務所ホームワン 山田冬樹 代表弁護士