文化放送『くにまるジャパン 極』に中原俊明代表弁護士が出演/473回テーマ 「新社会人月間④ これがセクハラだ!」編

2018年04月24日
弁護士法人 法律事務所ホームワン

代表の中原です。

4月を通してお送りしてきた「新社会人月間」も、いよいよ最終回です。今回のテーマは、先々週のアルハラ、先週のパワハラに続く、「ハラスメント」シリーズの第3弾。最近、「大きな話題」にもなったセクハラ、セクシャル・ハラスメントについてお話ししてきました。

厚労省の発表では、平成28年度、都道府県労働局に寄せられた男女雇用機会均等法に関する相談件数はおよそ2万1千件。このうちセクハラの相談が一番多く、およそ35%です。ただ相談に行ける人は氷山の一角と言う可能性もあります。

ご存じかと思いますが、セクハラは「性的な嫌がらせ」のことで、単なるマナー違反から、犯罪にあたる悪質な行為までを含む、とても幅広い行為全般を指しています。一番多いのは、男性から女性に対する嫌がらせですが、女性の男性に対する嫌がらせ、同性同士の嫌がらせも含めて、「セクハラ」と判断される可能性があります。

職場でセクハラの被害に遭うケースが多く見られますが、この職場という概念は、社内だけにとどまるものではありません。例えば、取引先での打合せや、飲食店での接待などでも、業務を遂行する場所であれば職場に含まれます。今話題のケースも、取材という仕事の場所での行為でした。
勤務時間外の飲み会でも業務の延長と考えられれば、職場と評価されるというのは、アルハラの時にもお話した通りです。
セクハラの行為者は、社長や上司に限るということではありません。たとえば、取引先の会社の社員や、顧客、病院の患者や学校の生徒、であっても、セクハラの対象になる可能性があります。

もし、セクハラの被害に遭ってしまった場合、男女雇用機会均等法では、セクハラ相談窓口の設置など、必要な対策をとることを義務付けていますので、まずは社内の相談窓口を利用してみてください。相談しづらいのであれば、各地にある厚生労働省の相談窓口してみましょう。もしくは、弁護士など法律の専門家にご相談いただくのも一つの手です。行政は会社に是正勧告や指導を行なって問題を解決しますが、セクハラを行なった相手から慰謝料を取ることはしません。その点、弁護士であれば損害賠償請求のアドバイスをすることもできます。

損害賠償の対象は、セクハラ行為の中でも「違法性がある」と判断される行為に限られますが、金額は、行為の悪質性や継続性、加害者と被害者の関係性や、被害者に生じた結果などを加味して決められます。ケース・バイ・ケースではありますが、一般的には数10万~2、300万円といったところです。ただ最近はもっと高い金額になるケースもあり、3年前、かつら業界大手の企業が、セクハラ訴訟で1300万円もの和解金を支払ったことが話題になりました。

ただ、被害者の立場で考えると、たとえ被害が認められても、その後の職場復帰には強い不安を感じると思います。
適切に職場復帰するためにも、加害者をどのように処分するのか、被害者に対してどのような復帰の場を用意するのか、会社側の対応がとても重要です。並行して、セクハラ行為を予防する体勢を準備していかなければなりません。

【出演情報】
◇日時
 毎週火曜 9:45~
◇放送局
 文化放送(関東エリア)
◇番組名
 『くにまるジャパン 極』
◇コーナー名
 「得々情報 暮らしインフォメーション ホームワン法律相談室」
◇473回テーマ
 「新社会人月間④ これがセクハラだ!」
◇出演
 番組MC 野村邦丸さん
 番組パーソナリティ 鈴木純子さん
 法律事務所ホームワン 中原俊明 代表弁護士