文化放送『くにまるジャパン 極』に中原俊明代表弁護士が出演/468回テーマ 「離婚月間③ 離婚の慰謝料」編

2018年03月20日
弁護士法人 法律事務所ホームワン

代表の中原です。

3月は「離婚強化月間」と称して1ヶ月間、毎週違った角度から離婚についてお話ししています。3回目の今日のテーマは、「離婚の慰謝料」です。

慰謝料は、精神的な損害に対する賠償金のことを指しますが、離婚の場合は、分かりやすい例として「不貞行為」に対する慰謝料があります。すなわち、浮気をされた人の精神的な損害を賠償するためのお金です。

不貞行為の慰謝料の相場は、一般的に100万から300万とも言われますが、この金額は、ケースによって様々です。不貞行為の回数や継続性、同棲の有無や現在の状況、婚姻期間の長さ、当事者の社会的地位、支払い能力、さらに未成年の子どもの有無などが考慮され、金額が決定されます。

また、「共同不法行為」といって、例えば、夫が浮気をして、浮気をされた妻が慰謝料を請求した場合、浮気をした夫と浮気相手の2人は共同して責任を取らなければなりません。
浮気された妻が、離婚はしたくないから、相手の女にだけ慰謝料を請求する、ということも可能ですが、浮気相手が慰謝料を支払った場合には、夫に対して慰謝料の一部を負担するよう求めることができます。
なお、離婚に至った場合に比べて、離婚に至らない場合の方が、慰謝料の金額は低めになります。

このあたりは、感情的になってしまいがちで、デリケートな問題ですので、まずは弁護士などの専門家にご相談いただきたいところです。

ちなみに、夫に言われて離婚して、その後、夫に愛人がいたことがわかったというような場合も、後から慰謝料を請求することができます。
ただし、愛人がいた時期に、もう婚姻生活が破綻していたといった場合は、法的保護に値しないとして、慰謝料請求が認められない場合もあります。また慰謝料請求は時効が3年、愛人がいたことがわかってから3年以内の請求が必要です。

そのほか、不倫以外に慰謝料が絡む例としては、離婚そのものによる精神的な苦痛への慰謝料もありえます。また、DVや姑の嫁いびりなどが原因の離婚でも、慰謝料の支払いが認められた裁判の例もあります。

また、慰謝料の支払いが認められたとして、その後どうやって確実に支払ってもらうかについて、考えておくことも重要です。
協議離婚の場合は、離婚協議書を作って公正証書にしておくと安心です。公正証書には裁判所の判決と同じ効力があるので、もし、相手が支払わなかった場合には、「強制執行」という形で、給与や預金口座を差し押さえることができます。

協議離婚の場合は、穏便に進める目的で、公正証書は作らずに口約束で済ますケースもあると思いますが、言った・言わないの水掛け論になりがちなので、少なくとも念書ぐらいは取っておくべきだと思います。

【出演情報】
◇日時
 毎週火曜 9:45~
◇放送局
 文化放送(関東エリア)
◇番組名
 『くにまるジャパン 極』
◇コーナー名
 「得々情報 暮らしインフォメーション ホームワン法律相談室」
◇468回テーマ
 「離婚月間③ 離婚の慰謝料」
◇出演
 番組MC 野村邦丸さん
 番組パーソナリティ 鈴木純子さん
 法律事務所ホームワン 中原俊明 代表弁護士