文化放送『くにまるジャパン 極』に小杉直樹弁護士が出演/456回テーマ 「相続 遺言書の作り方」編

2017年12月19日
弁護士法人 法律事務所ホームワン

弁護士の小杉です。

年末年始の帰省シーズンも目の前ということで、久し振りに家族が顔を揃える方も多いでしょう。こういった機会に、そろそろ本気で相続について考えなきゃ…と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
そこで、本日の『くにまるジャパン 極』では、「遺言書の作り方」というテーマでお話しをしてきました。

自分の財産を誰にどう引き継がせたいか、きちんと考えていらっしゃる方はもちろん、亡くなった後、家族の間で無用な争いが起きるのを避けたいとお考えの方にも、遺言書の作成はお勧めです。

書き方のポイントとしては、配偶者や子どもなど、法定相続人に財産を引き継がせたい場合、たとえば「妻・A子に土地を相続させる」といった書き方をすること。「相続させる」という表現を使うことで、将来の名義変更手続がかなり楽になってきます。
妻や子ども以外、法律上相続人ではない人に財産を遺したい場合は、「相続させる」ではなく「遺贈する」とお書きください。こうすることによって、相続人以外の方に財産を遺すことが可能になります。

ただ、法律上の相続人以外に遺産が「遺贈」されると、本来の相続人である妻や子どもの遺産の取り分が減ってしまいます。こういうケースでは、スムーズに相続手続きが進まない恐れもありますので、遺贈をきちんと進めるために、「遺言執行者」を遺言書で指定することができます。指定された遺言執行者は、遺贈の手続きを行いますが、執行者は、遺贈を受ける本人でも構いません。遺贈を受ける本人であれば、自分自身が遺贈で財産をもらえるわけですから、積極的に遺贈の手続をしてくれると期待できます。

そのほかにお勧めしたい遺言書の作り方のポイントは、少し費用はかかりますが、公証役場で「公正証書遺言」を作成することです。効力としては自分で書いたものと同じですが、専門家が関わるのでルール違反がありませんし、公証役場で原本を預かってくれるため、遺言書をなくす心配もありません。また、遺族から公証役場に問い合わせをすれば、公正証書で作った遺言書があるかないかを調べてもらうこともできます。

最後に、もし相続人の誰か1人に「全財産を相続させる」という遺言を書こうという場合の注意点です。「遺留分」といって、配偶者や子どもには最低限保証される取り分があります。たとえば、相続人が子ども二人で、片方に全財産を遺す…と遺言してしまうと、遺留分で揉める確率は高いでしょう。
一方、相続人がいないご夫婦であれば、全財産を妻、あるいは夫に相続させる、という遺言書を書いておけばいいと思います。この場合、兄弟姉妹や甥、姪が相続人になるケースが多いですが、こうした立場の人たちは遺留分がゼロなので、問題は起きません。ただ、二人で一枚の紙に遺言を書くことは禁止されているので、ご夫婦同時に遺言を作成される場合、別々の紙に書いて頂く事になります。

遺言書の作成には、他にも細かいルールがいろいろありますので、不安な時は是非、弁護士などの専門家にご相談いただければと思います。

【出演情報】
◇日時
 毎週火曜 9:45~
◇放送局
 文化放送(関東エリア)
◇番組名
 『くにまるジャパン 極』
◇コーナー名
 「得々情報 暮らしインフォメーション ホームワン法律相談室」
◇456回テーマ
 「相続 遺言書の作り方」
◇出演
 番組MC 野村邦丸さん
 番組パーソナリティ 鈴木純子さん
 法律事務所ホームワン 小杉直樹 弁護士