文化放送『くにまるジャパン 極』に中原俊明代表弁護士が出演/448回テーマ 「交通事故の慰謝料」編

2017年10月24日
弁護士法人 法律事務所ホームワン

代表の中原です。

本日の『くにまるジャパン極』では,交通事故被害に遭った場合の「慰謝料」についてお話しをしてきました。

交通事故,あるいは離婚の時などよく耳にする「慰謝料」,これは,精神的な苦痛に対して支払われるお金です。
交通事故の場合は,被害に遭ってケガをした場合,痛みによる苦痛や不安を感じたりします。その痛みや苦痛,精神的に辛い思いをしたところをカバーするお金が「慰謝料」ということになります。
交通事故被害の場合,一口に「慰謝料」と言っても,3種類の「慰謝料」があります。不幸にして交通事故で亡くなられてしまったような場合,本来被害者が受け取るべき慰謝料を,ご遺族が受け継ぐ形で,請求できます。これが「死亡慰謝料」で,ほかに「傷害慰謝料」「後遺障害慰謝料」があります。
「傷害慰謝料」は交通事故で負ったケガが治るか,または「症状固定」といって,症状が一進一退で,これ以上はよくならない…という状態になるまでの間,入院や通院をしていた期間に応じて支払われる金銭のことを言います。病院と付き合わざるを得なかった期間の肉体的な苦痛や煩わしさに対して支払われるものと考えればよいでしょう。
もう一つの「後遺障害慰謝料」は,症状固定した後,これ以上治療してもよくならないけれど,痛みなどの症状が残ってしまった場合に支払われるお金ということになります。

精神的な苦痛というのは,人によって感じ方が違い,それぞれの事案ごとにその人が感じた精神的な苦痛を金銭に換算する事はとても難しいです。そのため,交通事故の慰謝料の金額は,あらかじめ決められた基準に従って決められることが多いです。この基準にもいくつかありますが,裁判所では「裁判基準」と呼ばれるものが基本です。表紙が赤い本に載っているので「赤い本基準」とも呼ばれます。
一部ご紹介しますと,たとえば「死亡慰謝料」は2000万円から2800万円程度,この金額はご本人だけでなくご家族の分も含まれます。
後遺症が残った場合の「後遺障害慰謝料」は,症状に応じて,一番重い1級から軽い14級までランク付けされていて,たとえば14級だと110万円という基準が定められています。「障害慰謝料」は,ケガの程度や入院・通院の期間で計算します。たとえば軽いむちうち症なら,1カ月の通院に対して,19万円といった具合に,一目で分かる計算表が作られています。

ただ,すべての慰謝料が,この基準で決められるわけではありません。ほかにも,保険会社が定めた「任意保険基準」や裁判所の基準でも「赤い本基準」以外のものもあります。どれを使うかは,ケースによって違ってくるわけです。  また同じ基準でも,ケガが重かったり,酔っ払い運転だったり,という場合は,基準以上の金額が認められることもあります。

交通事故の慰謝料はケース・バイ・ケース,さらに,様々な基準がありますので,疑問があれば,弁護士など専門家にご相談されることをお勧めしたいと思います。

【出演情報】
◇日時
 毎週火曜 9:45~
◇放送局
 文化放送(関東エリア)
◇番組名
 『くにまるジャパン 極』
◇コーナー名
 「得々情報 暮らしインフォメーション ホームワン法律相談室」
◇448回テーマ
 「交通事故の慰謝料」
◇出演
 番組MC 野村邦丸さん
 番組パーソナリティ 鈴木純子さん
 法律事務所ホームワン 中原俊明 代表弁護士