文化放送『くにまるジャパン 極』に中原俊明代表弁護士が出演/416回テーマ 「面会交流と間接強制」編

2017年03月14日
弁護士法人 法律事務所ホームワン

代表の中原です。

今日は,子どもがいる男女が別居している時に問題になる「面会交流」,そして「間接強制」についてのお話をしてきました。

「面会交流」とは,別居している親が,子どもとコミュニケーションを取ることを言います。「面会」と言うくらいですから,典型的なのは直接会うケースですが,ほかにも手紙やメール,電話などで連絡を取り合うのも「面会交流」に含まれます。

面会交流は,子どもと同居している親が会わせてくれれば問題ないですが,会うことを認めてくれない場合は,家庭裁判所に調停や審判を申し立てることになります。裁判所は,両方の親の話や子どもはどう考えているのか,いろいろ調査した上で判断します。

もちろん,裁判所から「面会交流をさせなさい」と言われても,言うことを聞かない頑固な親も中にはいます。その場合は「強制執行」という手があります。これは,判決や審判など裁判所の判断を,強制的に実現する手段のことです。たとえばお金を貸したのに,返してくれない場合,相手の預金などを差し押さえる…といったものが「強制執行」です。

面会交流の場合の強制執行というと,誰かが子どもの家に行って,連れて来る,というのを想像してしまいますが,それは法律的には「直接強制」と呼ばれるやり方で,面会交流の場合には使うことはできないとされています。やはり実力行使で子どもを連れて行くと言うのは,悪い影響を与えかねないからです。

そこで今日のテーマの2つ目「間接強制」が出てきます。これは,もし面会交流させなかった場合,一回につき,これこれのお金を支払いなさい…と裁判所が命じるものです。金銭的にプレッシャーをかけるというわけですが,常にこの方法が認められる訳ではありません。認められた場合は,だいたい一回あたり,5万円から10万円程度が設定されるようです。
去年は百万円を払え,という判断が出た後に,ようやく面会交流が認められた…というケースもありました。

しかし,これは必ずしも効果があるとは限りません。まず,金額はケース・バイ・ケースですから,いつも「1回拒否したら百万円払え」といった判断が出る訳ではありません。
また,お金が全然手元にない人もけっこういます。こういう人に,お金を払え…といってもプレッシャーになりませんし,逆に,お金に余裕がある人の場合も,「金払えば会わせなくていいなら,払えばいいんでしょう」と,同じくプレッシャーを感じず,開き直る人がいます。裁判所が命じても,面会交流ができないことって,実際,けっこうあることなんです。

そもそも面会交流について,裁判所は,できるだけ「間接強制」といった方法をとるより,子どもの利益を考え,双方の親が協議し,協力して行うのが望ましい,と考えています。双方の親が直接話し合えないなら,法律事務所に相談するのも一つの手かもしれません。あくまでも「子どもファースト」で,よりよい方法を探して頂ければと思います。

【出演情報】
◇日時
 毎週火曜 9:45~
◇放送局
 文化放送(関東エリア)
◇番組名
 『くにまるジャパン 極』
◇コーナー名
 「得々情報 暮らしインフォメーション ホームワン法律相談室」
◇416回テーマ
 「面会交流と間接強制」編
◇出演
 番組MC 鈴木純子さん
 法律事務所ホームワン 中原俊明 代表弁護士