文化放送『くにまるジャパン 極』に中原俊明代表弁護士が出演/408回テーマ 「ストーカー規制法の改正」編

2017年01月17日
弁護士法人 法律事務所ホームワン

代表の中原です。

本日は,「ストーカー規制法」が改正されたというお話です。
去年5月には,シンガーソングライターとして活動中の女子大生が路上でストーカーに刺されると言う事件が起きました。また,今月初旬には,改正法で初の逮捕者が出る等の報道もありました。

改正前に問題になったのが,ブログやツイッター,フェイスブックなど,いわゆる「SNS」などの扱いです。これまでのストーカー規制法では,そうしたネット上の書き込みが規制対象になるとは,明記してありませんでした。
それが今回の改正で,メールや電話,ファクスに加えて,SNSなどにしつこくメッセージを送ったり,中傷を書き込むといった行為も新たに規制対象となりました。
罰則も強化され,ストーカー行為は懲役1年以下か100万円以下の罰金,禁止命令に違反すると懲役2年以下か200万円以下の罰金に科されるようになります。これまでの2倍に強化された形です。
また,緊急の場合は,事前の警告なしに,警察が禁止命令を出せるようになりました。ストーカー被害は,何かのきっかけで,急激にエスカレートする場合があります。そんな時に備えて,緊急時は手続を省略できるようになったわけです。
さらに,これまでストーカー行為は親告罪,つまり被害者からの訴えがないと罪にならなかったのですが,今回の改正で,訴えがなくても犯罪として成立するようになりました。
被害者が届出をためらっているような場合でも,捜査したり起訴したりできるということです。

SNS等への執拗な書き込みといっても,ストーカー規制法は,特定の者に対して恋愛感情やその他の好意感情,またはそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的での付きまとい行為を規制する法律です。
なので,芸能人のツイッターなどに,しつこいくらい嫌がらせを書き込みする場合は,その種の感情がなくて,単純な書き込みなら対象にはなりません。
ただ,あまりに過激な内容だと,名誉棄損など,別の犯罪になってしまう可能性はあると思います。

今回の改正で,犯罪防止に効果があるといいですが,ストーカー行為がゼロになることはないでしょう。もし警察に相談しても,取り合ってもらえない場合は,弁護士に相談することもできます。
弁護士は,本人に代わって警察と交渉して,より迅速な対応を求めたり,場合によっては弁護士から直接相手方に通知することもできますから,被害を食い止められる可能性も大きいです。お困りの際は,ぜひご相談ください。

【出演情報】
◇日時
 毎週火曜 9:45~
◇放送局
 文化放送(関東エリア)
◇番組名
 『くにまるジャパン 極』
◇コーナー名
 「得々情報 暮らしインフォメーション ホームワン法律相談室」
◇408回テーマ
 「ストーカー規制法の改正」編
◇出演
 番組MC 野村邦丸さん
 番組パーソナリティ 鈴木純子さん
 法律事務所ホームワン 中原俊明 代表弁護士