文化放送『くにまるジャパン 極』に中原俊明代表弁護士が出演/399回テーマ 「借金問題の昔と今」編

2016年11月08日
弁護士法人 法律事務所ホームワン

代表の中原です。

本日は「借金問題の昔と今」というテーマで,お話しをしてきました。
今年は,貸金業法の改正から10年が経った年で,節目の年でもあります。先日は弁護士会でもシンポジウムが開かれるなど感心も高まっています。

「昔と今」ということで,強く変わったと感じるのは,相談の内容です。
昔は,消費者金融から借り過ぎてしまい返済が出来なくなったという,いわゆる「多重債務」の相談が多かったのですが,最近は,銀行のカードローンの返済が苦しくなったとか,クレジットカードをショッピングで使っていたら,いつのまにかとんでもない金額になっていたとか,思うように正社員として就職が出来ず,学生時代に借りていた奨学金の返済に困ってしまって,つい借入をしてしまった若者など,こういった2~3社からの返済に苦しむというような相談が多くなってきています。

相談内容の変化とともに多重債務の相談も激減しています。数字でみても,消費者センターに寄せられる多重債務の相談は,10年前と比べて,3分の1まで減っていますし,多重債務者の数にしても約180万から,約12万人へと10分の1以下になっています。また,多重債務が原因とみられる自殺者も約3分の1まで減少しています。

こう見ると,法律改正の効果はあったわけですが,「自己破産」に関してみてみると,今年7月までのデータでは,昨年よりも増加傾向にあります。増えているといっても,そこまで顕著ではありませんが,今後増加傾向に転じる可能性もあると考えています。
その理由の1つとして,総量規制の対象外である銀行からの借金の影響があります。テレビやラジオで,「収入審査不要,無担保で300万円までご融資できます。」なんていう銀行のCMをご覧になったことがある人も多いと思います。銀行からの借金については総量規制の対象外なのです。
このような銀行の過剰な融資が,最近の借金問題の原因の一つと考えられます。
また,それ以外にも,先ほど紹介した,相談の内容が変わってきている,という点が大きいです。昔に比べて,ある程度収入のある人が,いわゆる娯楽費や交際費のために借金をするのではなく,生活費が足りず,2~3社から借りているうちに利息の支払いがきつくなってきて,返済が出来なくなってしまったという方からの相談が増えています。こういった方ですと,そもそもの収入があまりない場合も多く,弁護士が入っても任意での交渉では解決が出来ずに,自己破産を選択せざるを得ないケースもあります。

また,怖いのが,本人はそういった自覚がないことが多いということです。生活状況は人それぞれとしても,借金を抱え,返済しては空いた枠でまた借入するというような状況になっている方は,黄色信号の可能性があります。

借金問題は他人に相談するのが恥ずかしいと思って,なかなか相談に踏み切れない人が多いですが,自分自身だけで抱えてしまって,気が付いたら取り返しのつかない状況になってしまっていることもあります。弁護士には守秘義務がありますし,色々な法律的な視点から解決策を検討することも出来ます。もしお心当たりのある方は,客観的にご自身の状況を理解する機会だと思って,是非一度ご相談いただければと思います。

【出演情報】
◇日時
 毎週火曜 9:45~
◇放送局
 文化放送(関東エリア)
◇番組名
 『くにまるジャパン 極』
◇コーナー名
 「得々情報 暮らしインフォメーション ホームワン法律相談室」
◇399回テーマ
 「借金問題の昔と今」編
◇出演
 番組MC 野村邦丸さん
 番組パーソナリティ 鈴木純子さん
 法律事務所ホームワン 中原俊明 代表弁護士