文化放送『くにまるジャパン 極』に中原俊明代表弁護士が出演/396回テーマ 「訴状が送られてきたら」編

2016年10月18日
弁護士法人 法律事務所ホームワン

代表の中原です。

本日の『くにまるジャパン 極』では,ある日突然,裁判所から「訴状」が届いたら,どうしたらいいのか?というお話をしてきました。いきなり訴状が届いたら,何が起きたのかと,びっくりしてしまうと思います。訴状は,民事訴訟で,原告が裁判所に提出する文書です。つまり訴状が届くということは,誰かに訴えられたということです。

訴状には,どういった趣旨で起こされた裁判なのか,という訴えの内容や,誰が誰に起こした裁判なのかがわかる,当事者の名前も必ず記載されているので,被告の欄に,受取人の名前が必ず書かれているはずです。また,訴状は,「特別送達」という形の郵便で届くことになっています。書留と同じで,郵便配達員が直接届けに来ます。
いきなり届いたとはいえ,まったく身に覚えがない,というのは少ないと思います。というのも,解決を目指して話し合いをしていても,結局まとまらなくて,訴訟になってしまう形がほとんどなので,多くの場合,「あ,とうとう来たのか」という感じではないかと思います。

訴えの内容は,貸した金を返せ,慰謝料を払えといったよくありそうな金銭問題から,不動産登記を移すから手続しろ,など,様々です。それから,裁判所で審理をする日時が指定された書類と,答弁書提出の指示が印刷された書類が同封されています。証拠書類が添付されていることも多いですね。
原告の主張する内容を書いた文書が「訴状」であるのに対し,それに反論する文書が「答弁書」です。提出しないと,裁判所は,訴えた側=原告と,訴えられた側=被告の主張のどこが違うか,どこが争点になるのかが分からないわけです。

まったく身に覚えがない場合でも,放置すると大変です。
答弁書も出さず,指定された日時に裁判所に行かないと,「欠席判決」といって審理はそれで終わり,裁判所は,原告の主張どおりの判断をしてしまいます。まったくお金を借りていなくても,「金を返せ」という訴状が来て,無視してしまうと,そのお金を支払わなければいけないことになります。
判決文が届いてから2週間以内であれば,異議を主張して「控訴」することができますが,
そのようなことにならないように答弁書を出しておくのがベストです。ただ,とりあえず書いて送る,という程度ではやはり危険ですので,内容をよく読んで,適切な反論をする必要があります。訴えた側には代理人として弁護士がついている場合が多いので,複雑で難しい言葉が並んでいますし,内容次第ではすぐ対応が必要になる場合もあります。もし訴状が届いたら,すぐ弁護士に相談することをお勧めします。
専門家の中でも,行政書士や司法書士では取り扱えないケースもありますが,弁護士はオールマイティなので安心です。

また,最近,あたかも裁判所のような紛らわしい名前を付けて,架空請求をしてくる団体があるので,ご注意ください。そんな場合でも,弁護士にご相談いただければ,手遅れにならないうちに対応することが可能です。不安は一人で抱え込まず,すぐに手を打っていただきたいと思います。

【出演情報】
◇日時
 毎週火曜 9:45~
◇放送局
 文化放送(関東エリア)
◇番組名
 『くにまるジャパン 極』
◇コーナー名
 「得々情報 暮らしインフォメーション ホームワン法律相談室」
◇396回テーマ
 「訴状が送られてきたら」編
◇出演
 番組MC 野村邦丸さん
 番組パーソナリティ 鈴木純子さん
 法律事務所ホームワン 中原俊明 代表弁護士