文化放送『くにまるジャパン 極』に中原俊明代表弁護士が出演/394回テーマ 「セクシャルハラスメント」編

2016年10月04日
弁護士法人 法律事務所ホームワン

代表の中原です。

本日の『くにまるジャパン 極』では,セクシャルハラスメント,セクハラのお話をしてきました。日常的に使われる言葉ですが,そもそもの意味は,「性的な嫌がらせ」のことです。犯罪に当たる悪質な行為から,単純なマナー違反まで,範囲はとても幅広いものです。男性から女性に対する嫌がらせの割合が多いですが,女性による男性への嫌がらせや,同性同士の嫌がらせも含めて,「セクハラ」と判断される可能性があります。
中でも,問題なのは「職場でのセクハラ」です。

職場でのセクハラは,男女雇用機会均等法の中で,「対価型」と「環境型」の2タイプに分けて定められています。
「対価型」とは,たとえば,上司が嫌がっている部下に対し行った性的な言動に対して,抵抗した部下が,クビになったり給料を減らされたりする,こうしたケースを指します。
一方,「環境型」は,対価型に比べて直接的な不利益はないものの,労働者がその職場で働くことが不快になったため,その能力をちゃんと発揮できなくなるようなケースです。

平成27年度に,セクハラについて「都道府県労働局雇用均等室」という窓口が受けた相談件数は,9580件です。ここ5年ほどは年間1万件前後で推移しています。
ただ泣き寝入りされる方もたくさんいらっしゃるでしょうから,これは氷山の一角と考えた方がいいと思います。

被害を受けた場合,弁護士にご相談いただければ,セクハラを行なった相手や,その人を雇っていた会社に対する損害賠償請求といった手段を取ることも可能です。
ただし,損害賠償請求できるセクハラの程度は,セクハラ行為の中でも法律に違反しているものに限られます。どこからが違法か,というのは,セクハラ行為自体がどれほど悪質なものなのか,被害に遭った方がどれほどの精神的苦痛を受けたのかによって決まります。
また,違法かどうかの判断には,さまざまな要素が必要となります。たとえば,セクハラを行った人の会社での地位,年齢,婚姻歴,それまでの関係性,行為が行われた場所,行為の反復・継続性,被害者へのその後の対応,といったものです。

そして,たとえ損害賠償が認められたとしても,問題なのは,その後の職場復帰です。会社側の対応がとても重要で,セクハラを行った者をどう処分するか,被害者がスムーズに職場に戻れるよう,セクハラ予防態勢の確立が求められます。
実は,男女雇用機会均等法には,こうした予防措置を会社に求める項目も盛り込まれています。

適切な措置をとっていない場合は,厚生労働大臣は,会社に対し,態勢を整えるよう勧告することができます。この勧告に会社が応じない場合は,その事実が公表される場合があります。そんなことされたら,会社の信用はガタ落ちです。

ただ,勧告を受けても,どうすればいいのか,会社内では解決の糸口が見つからないことも多いです。そこで,相談窓口を弁護士に依頼するという方法もあります。弁護士には守秘義務もありますし,被害者の匿名性も保った上で会社側もセクハラ行為への改善策を検討できる,という両面の利点があります。

【出演情報】
◇日時
 毎週火曜 9:45~
◇放送局
 文化放送(関東エリア)
◇番組名
 『くにまるジャパン 極』
◇コーナー名
 「得々情報 暮らしインフォメーション ホームワン法律相談室」
◇394回テーマ
 「セクシャルハラスメント」編
◇出演
 番組MC 野村邦丸さん
 番組パーソナリティ 鈴木純子さん
 法律事務所ホームワン 中原俊明 代表弁護士