文化放送『くにまるジャパン』に中原俊明代表弁護士が出演/391回テーマ 「自己破産は怖くない!」編

2016年09月13日
弁護士法人 法律事務所ホームワン

代表の中原です。

本日のくにまるジャパンでは,自己破産の現状を踏まえつつ,よくある誤解をテーマにお話してきました。

2015年度の裁判所のデータでは,自己破産件数は,全国でおよそ7万件です。破産件数は減少傾向にあるのですが,一時期に比べれば鈍くなっています。とはいえ単純計算で一日に二百人くらいと考えると,意外に多いなと感じられるのではないでしょうか。

破産には,人生の終わり,なんてイメージがあり,事実と間違って認識されていることが多いようです。

例えば,よく何千万,何億という額の借金を抱えている人が報道されていますが,実際には,200万くらいの借金でも破産される方は多いです。
一昔前は,ギャンブルや買物などで浪費して,借金を作る方がたくさんいらっしゃいましたが,最近では,低収入で生活費が足りず,少しずつ借金が増えてどうしようもなくなった…そんなケースが増えているように思います。

破産手続の期間に関しても,ケースバイケースですが,一般的に1年ぐらいかかるというイメージをお持ちの方が多いようです。ただ,実際は,裁判所で破産手続が開始されてから,免責が確定するまで,例えば東京地裁の場合だと,ほとんどが3か月ちょっとと,あまり時間はかかりません。
資格制限についてご存じの方は多いのですが,具体的な期間まではあまり知られていない方も多く,仕事が制限させるのはこの期間だけですよ,とお伝えすると,驚かれる方も多いです。

他にも住まいについて,自己所有の家は,売却して引っ越す必要がありますが,賃貸住宅の場合は住み続けることもできます。
よく,破産をするとブラックリストに載る,といわれますが,これは消費者金融やクレジット会社が借り入れの審査に利用するもので,引っ越す場合でも大家さんや不動産屋さんは見ることができません。
また,ブラックリストに登録されている期間も一生というわけではなく,5年から10年経てば消えてしまいます。
もちろん戸籍や住民票に載ることもありません。

そしてよく,家財道具は売らなくてはいけないというイメージをお持ちの方がいますが,破産手続で処分対象になるのは,一定の高額な財産だけなので,テレビや冷蔵庫など生活必需品は手元に置いておけます。

自己破産は,国が認めた借金を免除する手続であると共に,経済的な再生をするための手続でもあります。
私がよくお話しするのは,「自己破産した後の生活」,これをしっかりと考えてください,ということです。自己破産は「人生の終わり」ではなく,「再出発のスタート地点」とお考えいただきたいです。
借金の返済に追われていると,ストレスで仕事も手につかず,自暴自棄になってしまう方も少なくなりません。
でも,そうやって逃げ回るより「前向きな再出発」のため,まずは弁護士にご相談いただければと思います。

【出演情報】
◇日時
 毎週火曜 9:45~
◇放送局
 文化放送(関東エリア)
◇番組名
 『くにまるジャパン』
◇コーナー名
 「得々情報 暮らしインフォメーション ホームワン法律相談室」
◇391回テーマ
 「自己破産は怖くない!」編
◇出演
 番組MC 野村邦丸さん
 番組パーソナリティ 鈴木純子さん
 法律事務所ホームワン 中原俊明 代表弁護士