文化放送『くにまるジャパン』に中原俊明代表弁護士が出演/379回テーマ 「ストーカー対策」編

2016年06月21日
弁護士法人 法律事務所ホームワン

代表の中原です。

先日,シンガーソングライターとして活動中の現役女子大生が,路上でストーカーに刺されるという事件が発生しました。一時は重体と伝えられましたが,意識を回復されたとのことで本当によかったです。
報道では,今回の事件が未然に防げなかったのかどうかという点が大きく取り上げられていました。

そこで,本日のくにまるジャパンでは,「ストーカー対策」についてお話ししてきました。

「ストーカー」,実際に被害に遭われていない方からすれば,他人事のように感じる方も多いと思いますが,統計データによれば,東京だけでも年間2千件,全国で見れば2万件以上の相談が寄せられています。もちろん,その背景には,もっと多くの相談があったのではないかと思っています。

ストーカー規制法は,2000年(平成12年)に制定された法律で,その後,2013年(平成25年)に改正されていますが,法律上,取り締まりの対象になるのは,いわゆる「つきまとい等」の行為です。
「つきまとい等」とは,「つきまとう,待ち伏せる,押しかける,監視していると告げる,面会や交際を要求する,乱暴な言動をする,さらには,無言電話や電子メールを送りつける」といった行為。
これらが,具体例として,法律に挙げられているものです。

今回は,逮捕された容疑者が,ツイッターで,脅迫めいた書き込みをしていたのが大きく報じられましたが,法律では,通信について「連続した電話やファクシミリ,メールの送信」を規制しています。でもツイッターやラインなどSNSについては,規制対象かどうか,明記されていません。
法律が時代の動きに追いついていないんですね。

法律の枠組みは守られるべき。でも,被害者が危険な状態に瀕しているなら,規制対象外でも対応すべきではなかったか…
今回の事件を受け,こうした新しいコミュニケーションのツールに対しても規制が及ぶよう,法律を変えていこうという動きが出てきているようです。ただ,いくら法律で規制されてもストーカーはなくなりません。自分の身は自分で守らないといけません。
たとえば,第三者に生活や行動パターンを把握されないようにすること。住所や名前などが分かるものを捨てるときは,細かく切っておくといったことですね。またインターネットで個人情報や顔写真を公開しないこと。SNSで知り合った相手に,安易に個人情報を教えるのも危険です。

先ほど年間2千件の相談とお話ししましたが,実は,警察で「ストーカーに付け狙われている」と言っても取り合ってもらえないようなケースが多いようなんですね。大切なのはきちんと証拠を残し,何度も相談に行くこと。
もう一つ,弁護士に相談するという手もあります。
弁護士は,本人に代わって警察と交渉し,より迅速な対応を求めていくことになります。場合によっては内容証明により,警察よりも早く,相手に警告します。さらに実際に犯罪の被害が出ていれば,警察に対して告訴を行なうこともできます。

【出演情報】
◇日時
 毎週火曜 9:45~
◇放送局
 文化放送(関東エリア)
◇番組名
 『くにまるジャパン』
◇コーナー名
 「得々情報 暮らしインフォメーション ホームワン法律相談室」
◇379回テーマ
 「ストーカー対策」編
◇出演
 番組MC 野村邦丸さん
 番組パーソナリティ 鈴木純子さん
 法律事務所ホームワン 中原俊明 代表弁護士