文化放送『くにまるジャパン』に小杉直樹弁護士が出演/369回テーマ 「離婚のイロハ」編

2016年04月12日
弁護士法人 法律事務所ホームワン

弁護士の小杉です。

本日のくにまるジャパンでは,離婚に関する統計データを基に,離婚が認められるための別居期間や婚姻費用についてお話ししてきました。
去年,結婚したカップルはおよそ65万組,一方,離婚したカップルはおよそ22万組。単純に比較できる数字ではありませんが,大雑把に言えば,3組に1組は離婚する時代となっています。

離婚形態の内訳を見てみると,87%~88%は協議離婚でお互い納得して離婚届にハンコを押して離婚するというもの,残りの約12~13%が裁判所を通した離婚ということになっています。
また,いきなり離婚の裁判はできない決まりがあり,まず家庭裁判所の「離婚調停」からスタートします。調停で離婚する割合が約10%です。調停で離婚がまとまらない場合,裁判所に訴えを起こすことになりますが,裁判の間も話し合いは続けられ,離婚に合意することもあります。これが約1.5%程度あって「和解離婚」といいます。また,様々な事情があり,途中で訴えを取り下げて,「協議離婚」の形を取ることもできますので,最終的に,判決で離婚になるのが,全体のわずか約1%ということになります。

裁判で離婚が認められるには,法律で定められた「離婚原因」があるかどうかがポイントです。

よく争点となるのは,「婚姻を継続し難い重大な事由」があるかという点です。御存じの方も多いでしょうが,たとえば,「不倫」や,「DV」などは離婚原因になるでしょう。一方,よく言われる「性格の不一致」は,それだけでは離婚原因として認められるのは難しいと思います。そのほかでは,長い間別居状態が続いていることが,離婚原因として認められることが多いです。

どのぐらい別居の期間があれば長期になるのかというのは,まず,一緒に暮らしていた期間と,別居期間を比較して判断します。金婚式も近いような夫婦であれば,5年の別居期間でも短いでしょうし,同居期間が短ければ,2,3年でも長期と言えるでしょう。別居期間だけが決め手になるわけではありませんが,どうしても離婚したいなら,早めに別居して,できるだけ別居する期間を長くしておくに越したことはありません。

そのほか「もう子育てが終わっている」とか,「別居期間中も相手にきちんと生活費を払っていた」といった事柄があれば,離婚を認める有利な事情として評価されることもあります。

女性の場合,「別居はしたいけど,暮らしていけない」という方も,たくさんいらっしゃるかと思いますが,夫婦は,お互い自分の生活と同じレベルの生活水準を,相手にも保障する義務があります。これは同居,別居,関係ありません。法律的には「婚姻費用」と言って,夫の方の収入が多ければ,妻に生活費を渡す義務があり,妻には請求する権利があります。

この他にも,財産のある方は,財産分与の問題,お子さんがいらっしゃる方は養育費や親権の問題もあります。最終的に離婚が避けられない場合でも,慎重に考え,後悔のないよう,一度弁護士にご相談してみてはいかがでしょうか。


【出演情報】
◇日時
 毎週火曜 9:45~
◇放送局
 文化放送(関東エリア)
◇番組名
 『くにまるジャパン』
◇コーナー名
 「得々情報 暮らしインフォメーション ホームワン法律相談室」
◇369回テーマ
 「離婚のイロハ」編
◇出演
 番組MC 野村邦丸さん
 番組パーソナリティ 鈴木純子さん
 法律事務所ホームワン 小杉直樹 弁護士