文化放送『くにまるジャパン』に 中原俊明 代表弁護士が出演 197回 テーマ 「年末に気をつけたい暴行・傷害」編

2012年12月04日
弁護士法人 法律事務所ホームワン

文化放送 『くにまるジャパン』
“得々情報 暮らしインフォメーション ホームワン法律相談室”

出演
・番組MC 野村邦丸さん
・番組パーソナリティ 鈴木純子さん
・法律事務所ホームワン  中原俊明 代表弁護士

197回 テーマ 「年末に気をつけたい暴行・傷害」編(12月4日 午前9:45 ~) 

■放送内容要約(実際の放送内容とは若干異なります。)

邦丸
盛り場が溢れかえる忘年会シーズン。自分が酔っ払うだけならまだしも、思いも寄らないトラブルに巻き込まれて苦労するといった場面も出てきそうですね。

中原
年末は、暴力沙汰などトラブルが多い印象ですね。同じ店に居合わせた同士が、最初は意気投合していたのに、だんだん口ゲンカが始まってしまうというケース。また、顔見知りと飲んでいても、酔った勢いでケンカになり、手を上げてしまうケースなど、現場に遭遇した経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

邦丸
度を越した酔っ払いは本当に迷惑ですよね。

中原
場合によっては法律によって処罰される可能性もあります。
「酒に酔って公衆に迷惑をかける行為の防止等に関する法律」、通称「酒酔い防止法」には、こう書いてあります。「酩酊者が公共の場所又は乗物において公衆に迷惑をかけるような著しく粗野又は乱暴な言動をしたときは、拘留又は科料に処する」。

邦丸
要するに、酔っ払って人に迷惑をかけてはいけない、と。「トラ箱」に入れられることもあるぞってことですね。

中原
警官が迷惑行為を止めに入ったら、素直に従えばいいんですが、言うことを聞かないと罰金をとられたり、公務執行妨害罪になったり、さらには、暴行罪、あるいは傷害罪に問われるケースもあります。
暴行と傷害について、以前にもお話しましたが、どこが違うかと言うと人にケガをさせたら「傷害」。殴りかかっても、相手にケガがなければ「暴行」です。傷害罪は、十五年以下の懲役または五十万以下の罰金。暴行罪は、二年以下の懲役または三十万以下の罰金、または勾留、もしくは科料…と、刑法に定めてあります。

邦丸
迷惑行為が、これ以上行くと「暴行罪」になる、というラインは決まっているんでしょうか。

中原
暴行は「人の身体に向けられた有形力の行使」とされています。「有形力」は物理的な力のこと、基本的には殴る蹴る。しかし、この言葉の示す範囲はかなり幅広いんです。
最近では、佐賀県の介護施設経営者が、利用者の口に塩を押し込んだことを理由に暴行罪で逮捕・起訴されました。また、体に触れなくても暴行罪が成立することもあります。たとえば、狭い室内で日本刀を振り回す。また通行人の数歩手前を狙って石を投げる…といった場合です。

邦丸
どっちも、身体に当たらなくても相当危険ですもんね。

中原
一方、暴行がなくても「傷害罪」になるケースがあります。「傷害」は「人の生理的機能や健康状態を毀損すること」。嫌がらせ電話をかけ続けて精神的に衰弱させたり、性病に感染させたりしたケースは「傷害罪」が成立しています。

邦丸 
そんなケースも!
たとえば、忘年会で、下戸の人間に無理やり飲ませるのは、これも傷害罪になっちゃいますか?

中原
急性アルコール中毒になって病院に担ぎ込まれたりしたら、「傷害」あるいは「過失傷害」となる可能性がありますね。くれぐれも節度ある飲み会をお楽しみいただきたいと思います。
何かとあわただしく、心がソワソワする季節ですが、万が一、厄介なトラブルに巻き込まれるような事があれば、できるだけ早く、弁護士など専門家にご相談いただければと思います。

邦丸
こんな景気ですが、毎週忘年会という方も多いかと思います。楽しく飲んで、みんなで気持ちよく新年を迎えましょう!