文化放送『くにまるジャパン』に 中原俊明 代表弁護士が出演 193回 テーマ 「突然逮捕されたら!?」編

2012年11月06日
弁護士法人 法律事務所ホームワン

文化放送 『くにまるジャパン』
“得々情報 暮らしインフォメーション ホームワン法律相談室”

出演
・番組MC 野村邦丸さん
・番組パーソナリティ 鈴木純子さん
・法律事務所ホームワン  中原俊明 代表弁護士

193回 テーマ 「突然逮捕されたら!?」編(11月6日 午前9:45 ~) 

■放送内容要約(実際の放送内容とは若干異なります。)

邦丸
きょうは刑事事件についてのお話。テーマは「接見」、面接の「接」に「見る」と書いて接見、聞きなれない言葉ですが、これどういう意味なんでしょう?

中原
逮捕され、身柄を拘束されている被疑者や、起訴されて勾留されている被告人と面会することです。ドラマや映画で、透明なアクリル板を挟んで面会する場面、おなじみだと思いますが、弁護には欠かせません。
ここでひとつ質問です。事件が起きて、「容疑者」、法律用語でいう「被疑者」が逮捕されます。この被疑者が「犯人」だと確定するのはいつだか、わかりますか。

邦丸
逮捕されて、裁判をやって、ものによっては最高裁まで争って、判決が出た時ですか?

中原
判決が「確定」したときです。それまでは、実際に犯人かどうかは分かりません。これが大原則です。
逮捕段階ではあくまで「被疑者」。つまり捜査機関から「犯罪を犯したのではないか」と「疑われている人」。しかし現実には「逮捕された」とニュースなどで報じられると、その時点で、世間からは犯人扱いされてしまうのが現実です。

邦丸
つい最近もパソコンの遠隔操作ウイルスを使った「なりすまし事件」で無実の人々が逮捕されました。あれも、本当にひどい話ですよね。

中原
被疑者や被告人には自分を守るための権利、「弁護人依頼権」があります。そして権利を実現するため、身柄拘束を受けているときに、弁護士に会って、事件の内容や自分の言い分を話し、アドバイスを受けます。これが「接見」と呼ばれるものです。

邦丸
一人きりで、自分の言い分を押し通すのは難しいですもんね。

中原
「なりすまし事件」でも2人の方が自白したように、身柄拘束され取り調べられると、やってもいないのに、つい「やりました」と、調書にサインしてしまうことはあり得ます。ウソでも罪を認めてしまうと、裁判で覆すのは本当に大変。だからこそ、弁護士に会ってアドバイスを受ける「接見」が。とても大切になってくるんですね。

邦丸
パソコンのなりすましや、以前この番組で取り上げた痴漢冤罪など、身に覚えがないのに或る日突然逮捕される。これは誰にも可能性がありますよね。

中原
誰にとってもヒトゴトではありません。とりわけ初期、逮捕されて72時間以内の「逮捕」段階では弁護士しか接見することはできません。家族も会うことができないんです。
実際、「朝、普通に家を出た夫が逮捕され、警察の留置場にいる。本人に連絡も取れない。とにかくどうしているか知りたい」と切羽詰ったご相談をいただいたことがあります。

邦丸 
それは家族としては、ものすごく不安ですよね。

中原
逮捕のあと、最大で20日間勾留されます。この段階では、弁護士以外のご家族も原則として接見が可能です。ただ検察官の請求により、裁判所が接見禁止の決定を出せば勾留されている間も家族の面会、手紙のやり取りも禁止です。

邦丸
最大で23日間も家族に会えない!

中原
こうなると接見が本当に重要です。弁護士の接見には、法律的なアドバイスはもちろん、社会から完全に切り離された状態にいる方に家族の言葉を伝えるなど、心理的サポートの意味もあるんです。