文化放送『くにまるジャパン』に奈良洋 協力税理士が出演 182回テーマ 「相続準備はお早めに」編

2012年08月21日
弁護士法人 法律事務所ホームワン

182回テーマ 「相続準備はお早めに」編
2012年8月21日 午前9:45~放送

文化放送 『くにまるジャパン』
“得々情報 暮らしインフォメーション ホームワン法律相談室”

出演
・番組MC 野村邦丸さん
・番組パーソナリティ 安西真実さん
・法律事務所ホームワン 奈良洋 協力税理士

182回テーマ 「相続準備はお早めに」編(8月21日 午前9:45 ~)

■放送内容要約(実際の放送内容は少し異なります)

邦丸
さて、お盆休みで故郷に帰られて、そこで改めて「相続」についてしみじみ考えた…という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

奈良
相続について気になるのはやっぱり税金、相続税ですね。「お金持ちの話、関係ない」と思われている方も多いのですが、実はいま、相続税の改正が着々と準備されていて、近い将来、払う必要のある人が増えそうな見込みです。たとえば、夫が亡くなって、妻と子供2人が相続する場合、現在は基本的に8000万まで税金がかかりません。ところが、改正案では、これが4800万になりそうです。

邦丸
これは引っかかる人、増えそうですね。

奈良
不動産の評価額が高いと、あまり預金はなくても相続税をとられてしまうケースがかなり増えると思います。現金がないのに税金がかかってくるとシビアですよね。自宅に関しては、評価を軽減される特例措置があるので、少しはラクかもしれません。しかし、この特例が使えるのは相続から10ヶ月以内に遺産分割協議が整った場合に限られます。うまくいかないと自宅を売って納税資金を作るハメに…。

邦丸
改正を見越して、今からいろいろ考えておく必要がありそうですね。

奈良
ただ改正に関わらず、相続人同士の話し合いがうまくいかず、家庭裁判所に持ち込まれるケースはけっこう多いんです。数にして年間1万件以上、しかも年々増えています。しかもその7割以上は、遺産の額が5千万以下!百万単位での争いも、決して珍しくはありません。
争われるのは、現金と不動産の配分の問題が多いですね。「長男に自宅、次男に預金」といった分け方では、「自宅の評価額のほうが高い!」といった不満が置きやすい。不動産は、なかなか等分に分けられるものではないので…。
先ほどの相続人が妻と子供2人のケースでは、法定相続分は妻が半分、子供が4分の1ずつ…と決まっています。自分の取り分はきちんと欲しい、と思う人が多いんですね。

邦丸
切実な話ですね。

奈良
親子や兄弟でも相続争いは起きますが、法定相続人が孫や叔父、叔母までに及んでいたり、さらに再婚、養子縁組といった話が出てくると、話はどんどん複雑になっていきますね。均等に分割するのが不可能な不動産をどうするか、誰が引き継ぐのか…? これは避けられない問題ですね。

邦丸
財産だけならまだしも、これに事業がからんでくると、また厄介な感じがしますね。

奈良
おっしゃるとおり、経営者にとって事業承継は大きな課題です。事業主が亡くなられ、相続が発生した場合は、経営している会社の株式が相続財産になります。しかし株価の問題、また後継者難の問題もあり、とりわけ中小企業では経営者の高齢化がからんで、相続に関する問題は山積していると言えます。
元気なうち、「万が一」の前に、打つ手はいろいろあります。愛する家族が揉めないように、自分の意思で、「誰に何をいくら」と、遺言書を作成しておくのも一つ。また、生前贈与で、相続争いを防ぐやり方もお勧めです。65歳以上の親が、20歳以上の子供などに対して、最高2500万円まで贈与税がかからない制度もあります。
親も子も、財産の話はしにくいものですが、骨肉の相続争いを日常的に見ている私共としては、悲しい事態を避けるため、前もって専門家にご相談いただくことをお勧めしたいですね。亡くなられた後では、できることは限られてしまいますので…。