文化放送『くにまるジャパン』に中原俊明代表弁護士が出演 178回テーマ 「盗撮に注意!」編

2012年07月24日
弁護士法人 法律事務所ホームワン

178回テーマ 「盗撮に注意!」編
2012年7月24日 午前9:45~放送

文化放送 『くにまるジャパン』
“得々情報 暮らしインフォメーション ホームワン法律相談室”

出演
・番組MC 野村邦丸さん
・番組パーソナリティ 安西真実さん
・法律事務所ホームワン 中原俊明代表弁護士

178回テーマ 「盗撮に注意!」編(7月24日 午前9:45 ~)

■放送内容要約(実際の放送内容は少し異なります)

邦丸
6月から7月にかけ、痴漢の被害や冤罪についてお話を伺ってきましたが、きょうは「盗撮」を取り上げます。これも卑劣な犯罪ですが、法律的にはどんな行為に当たるんでしょう?

中原
各都道府県で定められている「迷惑防止条例」違反になります。ちょっと長くなりますが、東京都の条文をご紹介します。
「公衆便所、公衆浴場、公衆が使用することができる更衣室その他公衆が通常衣服の全部若しくは一部を着けない状態でいる場所又は公共の場所若しくは公共の乗物において、人の通常衣服で隠されている下着又は身体を、写真機その他の機器を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け、若しくは設置すること」これが、今年改正された、東京都条例の条文です。

邦丸
かなり具体的に書かれていますね!

中原
そこが今回の改正のポイントです。
これまでは、規制する場所が「公共の場所」「公共の乗物」となっていましたが、「公衆便所」「公衆浴場」そして「更衣室」などが加わって、規制が強化されました。こうして、きちんと場所を決めておくことで、より効果的な取締りができるようになるはずです。

邦丸
無防備な状態を撮影されるわけですから悪質ですよね。
条文を聞いていて気になったのが「人の通常衣服で隠されている下着または身体」というところです。最近はスマホをスカートの下に差し入れる手口が報道されていますよね。これって、女性がズボンを履いている場合はどうなんですか。

中原
実はそこが難しいところです。ズボンを履いていると、ヒップラインは「隠されている」わけではないですよね。実際、ズボンを履いていた女性の盗撮で最高裁まで争われたケースがあるんです。

邦丸
最高裁まで!

中原
この事件では、およそ5分間、40m余りにわたって、女性の背後1mないし3mの距離から、男性が携帯電話を自分の腰のあたりまで下げて、細身のズボンをはいていた女性の臀部、つまりお尻を、およそ10回撮影したというものです。

邦丸
さすがに、それは有罪じゃないですか?

中原
おっしゃるとおり、このケースは条例違反という判決が出ました。「通常隠されて」いなくても、つきまとって何回も撮影した、ここがNGという判断になったんですね。

邦丸
では、条文では「下着または身体」とありますけど水着もNGなんでしょうね?

中原
ズボンの例と同様の理屈で、水着の場合も、アウトのケースがあると思います。
海水浴に来ている人は、公共の場所で、自ら水着になっている訳ですから、普通に写真を撮る限りは盗撮にはならないと思いますが、さきほどの判決のように、相手との距離、撮影していた時間の長さや態様など、特殊な状況の場合には犯罪になる可能性があるかも知れません。

邦丸
盗撮を予防するのは難しいでしょうね。

中原
確かに痴漢と違って、被害者が気づかないケースが多いです。先ほどのズボンの被害者も、知らないうちに撮られていました。
イヤホンで音楽を聴きながらスマホに夢中になっていたり、本屋さんやコンビニで立ち読みに夢中になっていたり、こういう状況はターゲットにされやすいですね。

邦丸
まずは自分が被害に気づける状況にしておくことが大切なんですね。