文化放送『くにまるジャパン』に中原俊明代表弁護士が出演 176回テーマ 「痴漢冤罪も困ります!」編

2012年07月10日
弁護士法人 法律事務所ホームワン

176回テーマ 「痴漢冤罪も困ります!」編
2012年7月10日 午前9:45~放送

文化放送 『くにまるジャパン』
“得々情報 暮らしインフォメーション ホームワン法律相談室”

出演
・番組MC 野村邦丸さん
・番組パーソナリティ 安西真実さん
・法律事務所ホームワン 中原俊明代表弁護士

176回テーマ 「痴漢冤罪も困ります!」編(7月10日 午前9:45 ~)

■放送内容要約(実際の放送内容は少し異なります)

邦丸
以前、電車の中での痴漢被害を避ける方法など伺いました。つかまえるには現行犯逮捕が基本とのお話でしたが、一方で、映画「それでもボクはやってない」に描かれたような、人違いによる冤罪も報道されていますよね。

中原
もちろん痴漢行為は許しがたい犯罪ですが、それで無関係の人が罪に問われるのも大問題です。間違いでも、一度逮捕されてしまうと、痴漢の場合、無実を証明するには大変な時間と労力がかかります。

邦丸
実際にはどれくらいかかるんでしょう?

中原
たとえば,最高裁まで争って無罪を獲得したケースがあります。邦丸さんも利用される小田急線で起きた事件ですが、2006年に強制わいせつ罪で逮捕・起訴され、地裁、高裁で有罪。2009年に最高裁で逆転無罪。およそ3年の間、無期限の休職状態となり、最高裁判決を受けようやく職場復帰できたそうです。

邦丸
痴漢冤罪は通勤サラリーマンにとって他人事ではありませんが、なんでこういうことが起きるんでしょう?

中原
やはりラッシュで、周りにはたくさんの人がいますから、犯人を特定するのが難しいのは事実です。身を守るには両手で吊革をもつ「バンザイ通勤」が安全、という話もありますが、完璧とはいえません。被害女性が「あの人がやった」と言った場合、いくら「両手で吊革を持っていた」と主張しても、それを証言してくれる第三者がいなければ、押し問答になってしまうからです。

邦丸
なるほど。じゃ「あの人痴漢です!」って、やってないのに名指しされたらどうすればいいですか。突然言われたら逃げ出したくなりますよね。

中原
逃げ切れず捕まったら、かえって不利になります。「やましいことがあったんだろう」と思われますからね。しかし、堂々と逃げも隠れもせず無罪を主張しても、その場で,第三者が「この人じゃない」「この人は吊革につかまっていた」「別の人が触ってたのを見た」といった証言をしてくれないと、ほとんどの場合,身柄拘束されてしまいますね。

邦丸
確かに満員電車で隣の人が何をしていたか、正確に説明しろと言われても、不可能に近いですよね。

中原
仮に無実でも「やった」「やってない」の押し問答になり、「駅の事務室で話しましょう」と言われて座っていると、警察が来て,身柄を引き渡されてしまいます。身柄を拘束されると最大で23日間、留置場や拘置所に入れられます。これが,社会生活上、非常に困ったことなのです。

邦丸
会社を予告なしに3週間以上も…休めませんよね。痴漢の疑いで逮捕されたなんて言いにくいでしょうし…そのままクビなんてことも十分ありえますよね。逃げてもダメ、徹底的に無罪を主張してもダメとなると、痴漢に間違われたらもう絶望的ってことですか?

中原
一つ考えられるのは、「被害者や駅員に名刺を渡したり、免許証を見せ、身分を明らかにして、その場をとりあえず立ち去る」というものです。冤罪で逮捕されると、あとで疑いが晴れたとしても、ある日突然身柄拘束されて社会から切り離される,という点のダメージがとても大きいんです。とりあえず「逃げも隠れもしません」と表明して、まずその場を立ち去るのがベターですね。