文化放送『くにまるジャパン』に山田冬樹代表弁護士が出演 173回テーマ 「これが過払い金裁判の実態だ」編

2012年06月19日
弁護士法人 法律事務所ホームワン

173回テーマ 「これが過払い金裁判の実態だ」編
2012年6月19日 午前9:45~放送

文化放送 『くにまるジャパン』
“得々情報 暮らしインフォメーション ホームワン法律相談室”

出演
・番組MC 野村邦丸さん
・番組パーソナリティ 安西真実さん
・法律事務所ホームワン 山田冬樹代表弁護士

173回テーマ 「これが過払い金裁判の実態だ」編(6月19日 午前9:45 ~)

■放送内容要約(実際の放送内容は少し異なります)

邦丸
法律で決められたものより高い金利でお金を借りて、ずーっと返し続け、結果的に払いすぎてしまったお金「過払い金」。この「過払い金」を取り戻す方法について、今週もお話を伺います。過払い金があるかどうかは、相手の業者が保管している、貸し借りのデータを見れば分かるんですよね。特に注意してみているポイントというのはあるんですか?

山田
返し終わってから10年経つと時効になって、過払金を請求できなくなるんです。ですからその部分を一番気をつけて見ますね。

邦丸
いつ返し終わったかも取引履歴に載っているなら、一目見て分かりますから、あまり気をつけてみなくても良いような気がするんですが…

山田
たとえば、15年前にいったん全額返し終わったけど、その1年後にまた同じ業者から借り始めた…こんなケースについて考えてみてください。この場合、お金を貸す業者の側からしてみると、「15年前にいったん返し終わっているから、それ以前に発生した過払金は時効だ」と主張するわけです。ところが、借りている側は、1年空白期間はあっても、「取引は続いていたのだから、それ以前の分も、過払い金を支払え」ということになります。

邦丸
裁判ではどんな判決が出ているんですか?

山田
ポイントは大きく二つあります。まず第一に、「再び借り始めたというときに、改めて契約をやり直していないかどうか」が重要です。前に使っていたカードをそのまま使って、再度借入をしたというような場合は、前の取引の延長ということで、そのまま、時効にならずに済むことが多いんです。反対に、次に借りるときに、改めて契約書を作り直したとなると、前の取引が終わったときにあった過払金は10年で時効ということになるのが原則です。
第2に空白の期間、ブランクの期間が重要です。新たに契約をやり直して借り始めたという場合でも、だいたいその空白、ブランクが、短ければ「前の取引の延長で、その後の取引が始まったんだろう」ということで、前の部分の過払金が時効にいならなくて済むんです。裁判では、大体1年が目安になっていて、1年以内ならセーフ、時効にならなくて済むということが多いですね。
もう一つ、大きな争点となるのが「利息」です。払い金を請求する側は、本来自分のお金なのに、業者が持っていたわけだから、利息をつけて返せと主張します。法律では年5%の利息がつくことになっているので、過払い金が100万なら、一年後に利息が5%ついて、105万円になるわけです。

邦丸
考えてみれば当然の話ですよね。

山田
その通りなんですが、取引期間が長ければ長いほど、利息だけでもバカにならない金額になってしまいます。そこで業者は「これこれこういう訳で利息はつかない」と、いろいろ理屈をつけて、なるべく少ない支払い金額で済むように、工夫するわけです。今では裁判になっても、ほとんどのケースで利息をとれますが、たくさん裁判を積み重ね、いろいろな最高裁判決が出て、ようやく認められるようになったんです。

邦丸
やはり弁護士に依頼しないと、裁判は難しいんでしょうね。

山田
中にはご自分の力だけで裁判される方もいらっしゃいます。最近はインターネットなどで情報が溢れていますから、ご自分で勉強されて訴訟に臨むことも不可能ではありません。
ただ裁判所はあくまで中立で、どっちの味方もしません。予想外の難しい論点が出てきた場合、その場で「この場合、どう主張すればいいんですか?」と聞いても教えてくれたりはしません。そんな事態に備えて、専門家に任せるのも、結果的にはベターかもしれませんね。

邦丸
相手も百戦錬磨の金融業者ですから、弁護士に依頼するのがよさそうな気がしますね。