文化放送『くにまるジャパン』に中原俊明代表弁護士が出演 153回テーマ 「刑事事件の豆知識」編

2012年01月31日
弁護士法人 法律事務所ホームワン

153回テーマ 「刑事事件の豆知識」編
2012年1月31日 午前9:45~放送

文化放送 『くにまるジャパン』
“得々情報 暮らしインフォメーション ホームワン法律相談室”

出演
・番組MC 野村邦丸さん
・番組パーソナリティ 鈴木純子さん
・法律事務所ホームワン 中原俊明 代表弁護士

153回テーマ 「刑事事件の豆知識」編(1月31日 午前9:45 ~)

■放送内容要約(実際の放送内容は少し異なります)

邦丸
今週は、刑事事件の豆知識を教えていただきます。2012年は、オウム真理教元幹部の平田容疑者が「出頭」したというニュースで明けましたが、これは「自首」ではないんでしょうか?

中原
「出頭」は、犯罪がすでに発覚している場合で、なおかつ容疑者として特定されている人が、自分から警察に出向くことを言います。
一方、「自首」は、犯罪や犯人が発覚していないケースです。たとえば、人を殺してしまったけれど、まだ誰も、他の人が現場を発見していない段階で、犯人が「いけないことをした…」と警察に出頭するような場合です。刑法42条に規定されています。

邦丸
それで平田容疑者の場合は「出頭」、かくまっていた女性は「自首」というわけですね。よく自首すると刑が軽くなると言われますが、実際のところはどうなんでしょう?

中原
確かに、自首の場合は軽くなることが多いです。でも出頭の場合は、ケース・バイ・ケース。情状酌量の余地はありますが、裁判官次第ですね。
ところで、邦丸さんは「平田容疑者」とおっしゃいますが、「容疑者」と「被疑者」そして「被告人」、この三つはどう違うか、ご存知でしょうか。

邦丸
「被告人」は裁判のとき使う言葉だと思いますが、「容疑者」と「被疑者」は…わかりません!

中原
「容疑者」「被疑者」は、犯人として疑われている段階。具体的には、検察に起訴される前の呼び方です。「容疑者」は主にマスコミの言葉で、法律的には「被疑者」と呼びます。
一方、「被告人」は、邦丸さんのおっしゃる通りで、検察によって「犯人の疑いがある」と判断され、起訴された後の呼び名ということになります。マスコミでは「被告」といったりしますが、これは民事事件で使う言葉で、刑事事件では、「被告人」というのが正しい呼び名です。

邦丸
では、「逮捕」と「勾留」は、どう違うんでしょう?

中原
「逮捕」は、犯人として疑われている被疑者の身体を、強制的に拘束できる処分で、最大72時間。普通は警察官が裁判所が出した逮捕状に基づいて行ないますが、現行犯であれば、一般人でもできます。
一方の「勾留」は、逮捕の後の段階で、原則10日間。さらに10日間の延長が可能です。検察官が裁判所に請求し、裁判所が勾留状を出せば、勾留されることになります。では「釈放」と「保釈」の違いはご存知ですか?

邦丸
「保釈」はお金を払うやつですよね。

中原
勾留されたのち起訴された被告人は、裁判で有罪か無罪かが決まるまで、留置場か拘置所等に入れられますが、逃亡や証拠隠滅の恐れがないと裁判所が判断した場合、保釈金という担保を積めば、外に出してもらえる,これが保釈。もちろん執行猶予の付かない禁錮以上の刑が宣告されれば、改めて留置場か拘置所等に戻ることとなります。
一方の「釈放」は、逮捕・勾留されても、不起訴や嫌疑不十分、起訴猶予や処分保留などで起訴されることなく解放される場合。裁判で無罪になったり、刑務所で刑期が終わった場合も「釈放」ということになります。

邦丸
(受けて…)ニュースでよく耳にする言葉でも、ちゃんと理由があって使い分けられているんですね。