文化放送『くにまるジャパン』に山田冬樹代表弁護士が出演 145回テーマ 「消費者金融が銀行に?」編
2011年11月29日
弁護士法人 法律事務所ホームワン
145回テーマ 「消費者金融が銀行に?」編
2011年11月29日 午前9:45~放送
文化放送 『くにまるジャパン』
“得々情報 暮らしインフォメーション ホームワン法律相談室”
出演
・番組MC 野村邦丸さん
・番組パーソナリティ 鈴木純子さん
・法律事務所ホームワン 山田冬樹代表弁護士
145回テーマ 「消費者金融が銀行に?」編(11月29日 午前9:45 ~)
■放送内容要約(実際の放送内容は少し異なります)
邦丸
このコーナーではたびたび借金問題を取り扱っています。ふだんは「お金を借りる側」のお話がほとんどなんですが、最近「お金を貸す側」、消費者金融業界で、あっと驚くような出来事があったそうですね。
山田
テレビ等の広告で「レイク」って名前はよく聞きますよね。これって会社の名前ではないんです。元々はレイクと言う名前の会社があったんですが、その会社自体はもうなくなっていて、レイクという会社が行っていたキャッシング事業だけが転々譲渡されていって、新生フィナンシャルという消費者金融業者が、「レイク」というブランドでカード・キャッシング事業を行っていたんですね。
ところが、10月1日、この事業がさらに、親会社の新生銀行に譲渡されて、新生銀行が「レイク」と言う名前で直接キャッシング事業を行うことになったんです。
邦丸
このニュースの意味するところを教えて頂けますか?
山田
消費者金融は「貸金業法」に基づいて営業しており、「融資は年収の3分の1まで」という、「総量規制」が適用されます。しかし、銀行が行なう融資は「銀行業法」に基づくので、この「総量規制」の範囲外、ということになるんですね。
「レイク」の経営主体が、消費者金融業者から、銀行に変わったことで。総量規制の対象外ということになったんです。
邦丸
ほかの大手消費者金融も、「銀行系」として宣伝を行なっていますよね。
山田
アコム、プロミスなど銀行の子会社ではありますが、あくまでも「消費者金融業者」です。銀行系というだけで、銀行そのものではないんですね。今回のレイクは初めてのケースなので注目されています。総量規制の対象外ですから、3分の1以上でも貸そうと思えば貸せますし、専業主婦に対する貸付規制も受けません。
邦丸
消費者金融なら3分の1以上融資できなかったのに、銀行になったとたんそれが融資できるというのはなんだかすっきりしない気がするんですが…
山田
当然新生銀行も「総量規制は尊重する」と発言してますので、銀行さんですから、無節操な貸出はしないと思いますけどね。ただ、銀行自体が、消費者金融に進出する動きは以前からあるんです。
邦丸
それはどういう動きですか?
山田
最近大企業の資金調達が、社債とか、増資とかで調達することが多くなって、銀行も貸し出す先がなくて困っているんです。ですから、銀行も高めの利息をとって個人に貸しつけようとしているんですね。特にネット系の新興の銀行ではそうした動きが盛んになっているようです。ネット系大手7行の今年6月末の個人向け貸付残高は前年同月末に比べて3割増え、2000億円を突破した。
邦丸
どんな動きが出てくるにしても、お金を借りる側の保護を、十分に考えてほしいところですよね。
山田
その通りです。借り手側が長い目で見てどうなるのかが、私自身、いちばん気になるところです。貸金業法の改正は、多重債務者を増やさないのが目的です。借り手がダメージを受けないよう、銀行もきちんとこの法律の趣旨を尊重してキャシング事業を行ってほしいと思っています。