文化放送『くにまるジャパン』に中原俊明弁護士が出演 140回テーマ 「“褒め上げ”商法」編
2011年10月25日
弁護士法人 法律事務所ホームワン
140回テーマ 「“褒め上げ”商法」編
2011年10月25日 午前9:45~放送
文化放送 『くにまるジャパン』
“得々情報 暮らしインフォメーション ホームワン法律相談室”
出演
・番組MC 野村邦丸さん
・番組パーソナリティ 鈴木純子さん
・法律事務所ホームワン 中原俊明弁護士
140回テーマ 「“褒め上げ”商法」編(10月25日 午前9:45 ~)
■放送内容要約(実際の放送内容は少し異なります)
邦丸
今日は「芸術の秋」にちなんだ話題です。絵を描いたり、あるいは短歌や俳句をひねってみたり。創作活動を趣味にお持ちの方も多いと思いますが、そんな人たちを狙った悪徳商法があるそうですね。
中原
せっかく作った作品ですから、たくさんの人々に見てもらいたいのが人情ですよね。
そんな人間の弱みにつけこむ悪徳商法がはやっています。要するに、短歌や俳句、絵画や陶芸などを趣味に持つ人に、「あなたの作品は素晴らしい」といって近付き、作品を公の場に発表するから…と声をかけ、掲載料と称して大金を巻き上げるわけです。
邦丸
どうやって被害者を見つけるんでしょう?
中原
たとえば、自作の「絵」が雑誌に載ったことがある男性が被害に遭った例があります。
「あなたの絵は素晴らしい。インターネットのサイトに、無料で掲載させてくれませんか」と電話がかかってきた。「無料でいいなら、ぜひ」と電話口でOKしたら、後から12万円もの請求書が送られてきたそうです。
邦丸
電話だけでやり取りするのは危険ですね。
中原
はい。事前に書面で確認をとっておきたいところです。また八十代の女性に、「新聞に俳句を載せませんか」と電話で勧誘してきたケースも。この方は「結構です」と断ったんですが、業者が家まで来て「素晴らしい俳句だからぜひ」としつこく勧誘されます。
「そんなに高いお金は払えません」と言っても、「分割で構いませんから」と無理やり契約させられた。
邦丸
立場の弱いお年寄りが狙われるんですね。
中原
さらにひどいことに、この女性が契約書にサインすると、その後、似たような業者から次々勧誘が殺到したそうです。本当に悪質な手口としか、言い様がありません。
「褒め上げ商法」の被害者はここ数年増え続けており、相談者の7割近くが60歳以上の方だそうです。各地で公募の展覧会の多いこの時期は、特に被害も多く、東京都でも注意を呼びかけています。
邦丸
悪いやつには展覧会が宝の山に見えるんでしょうね。
中原
被害者は比較的、ご高齢の方が多いのが特徴です。
この時期、芸術を趣味にされているお年寄り、とりわけ絵が好きで展覧会に出品されるような方が身近にいらっしゃったら、注意していただきたいですね。
邦丸
周りの人が、コミュニケーションを心がけたいところです。
中原
また、この手のセールス電話は、昼間にかかってくることが多い。ご家族がいても、昼間はお年寄りが一人で留守番、という場合、きっぱりと断れず、うっかり契約してしまうことがあります。危ない話だな、と思っても、一人で過ごしていて話し相手が欲しいときなど、つい長話をしてしまって、挙句の果てに契約…というケースもあります。
邦丸
振り込め詐欺の話と似ていますね。
中原
そうなんです。家族でも、親しい方でも、誰でも構わないので日頃から誰かとおしゃべりすることを心がけ、「こういう危ない話があるんだって」と情報交換する。知識さえ身につけておけば、何か変な電話がかかってきても「怪しい」と判断することもできますよね。
邦丸
お年寄り相手の犯罪はどんどん増えていきます。もちろんご本人もですが、周りにいる私たちも、日頃から悪徳商法に注意を向けておくことが必要ですね。