文化放送『くにまるジャパン』に中原俊明弁護士が出演 133回テーマ 「「告訴」について考えてみる」編

2011年09月06日
弁護士法人 法律事務所ホームワン

133回テーマ 「「告訴」について考えてみる」編
2011年9月6日 午前9:45~放送

文化放送 『くにまるジャパン』
“得々情報 暮らしインフォメーション ホームワン法律相談室”

出演
・番組MC 野村邦丸さん
・番組パーソナリティ 鈴木純子さん
・法律事務所ホームワン 中原俊明(なかはら・としあき)弁護士

133回テーマ 「「告訴」について考えてみる」編(9月6日 午前9:45 ~)

■放送内容要約(実際の放送内容は少し異なります)

邦丸

刑事ドラマを見ていると、様々な専門用語が登場します。
捜索、押収、保釈、黙秘…耳慣れている言葉なんですが、その正確な意味って、意外に知らないものですよね。

中原

今日はそんな犯罪に関わる専門用語の中から、「告訴」についてお話しようと思います。もし不幸にして犯罪に巻き込まれてしまったとき、どうやって届け出ればいいか、ご存知ですか?

邦丸

まずは警察にいくんでしょうが、その先は分からないですね。

中原

「被害届」か「告訴状」を出すことになりますが、この二つ、まったく性格が違います。
「被害届」…犯罪の被害に遭った人やその関係者が、その内容を警察などに申告する「届出」です。届出を受け取った後、捜査するかどうかは、警察や検察が判断。実は「被害届」という言葉は、事件に関する手続きを定めた「刑事訴訟法」には出てこないんです。

邦丸

それじゃ、もう一つの「告訴状」というのは?

中原

「告訴状」…こちらは、犯罪をきちんと調べて、犯人を裁判所に起訴してほしいという、被害者の「意思表示」だとお考えください。
「告訴」は刑事訴訟法230条以下に定められています。警察や検察などの捜査機関は、告訴を受理したら、一定の時間のうちに,捜査を開始するとか,書類などを検察官に送るなどの処理しなければなりません。また、告訴した人に、最終的に起訴したかどうかを知らせる「処分通知書」を交付する必要があります。

邦丸

じゃ、理不尽な目に遭った被害者としては、告訴状を出したいところですね。

中原

ただ、告訴状は被害届に比べ、受理されにくいんです。あくまで私の感覚ですが、捜査機関としては、先ほどお話した,捜査しなければならない義務や,いろいろな事務処理が発生してしまうので、できれば避けたいという傾向があるように思います。
それでも、刑法では告訴がないと起訴できない犯罪があります。これを「親告罪」というのですが、器物損壊、名誉毀損、強制わいせつといったもの。こうしたケースでは、警察もスムーズに告訴を受けることが多いように思います。

邦丸

でも、それ以外の犯罪でも告訴したい人、いますよね?

中原

相談がある犯罪の例としては、個人なら詐欺罪。また企業の場合「業務上横領罪」があります。企業イメージから、告訴をためらうケースもあるようです。でも法令遵守・コンプライアンスの観点からは、世間に対して「きちんとやってますよ」ということを示す必要があります。
ここ数年、大きな会社の不祥事が続いている時期でもあり、会社には毅然とした態度が求められているんですね。犯人は懲戒処分にすると共に、刑事告訴も検討するのが、さまざまな意味から考えても、有効だと思います。

邦丸

大企業の場合は、顧問弁護士に相談すればいいでしょうが、詐欺にあった被害者などは、どうすればいいでしょう?

中原

個人で告訴状を出すこともできますが、事実関係を分かり易く記載したり,証拠を添付したりしないと,先ほどお話したように,門前払いをされて受け取ってくれませんから,やはり専門家に相談されるといいでしょう。
最初から弁護士が関係していれば、告訴が受け入れられ、相手が起訴されて裁判になったときもスムーズです。長い人生、いつ犯罪に巻き込まれるか分かりません。もしも被害を受けてしまったら、まずは、私たち弁護士にご相談いただければと思います。