文化放送『くにまるジャパン』に山田冬樹が出演 127回テーマ 「激動の貸金業界」編
2011年07月26日
弁護士法人 法律事務所ホームワン
127回テーマ 「激動の貸金業界」編
2011年7月26日 午前9:45~放送
文化放送 『くにまるジャパン』
“得々情報 暮らしインフォメーション ホームワン法律相談室”
出演
・番組MC 野村邦丸さん
・番組パーソナリティ 鈴木純子さん
・法律事務所ホームワン 山田冬樹(やまだふゆき)弁護士
127回テーマ 「激動の貸金業界」編(7月26日 午前9:45 ~)
■放送内容要約(実際の放送内容は少し異なります)
邦丸
去年、経営破たんした「武富士」のお話、この番組でもたびたびご紹介していますが、何か新しい動きがあったそうですね。
山田
武富士は、会社更生という法的整理手続中なんですが、22日に「更正計画案」というものが決まりました。武富士は、大幅な債務超過になっています。韓国の消費者金融の大手に会社ごと買ってもらってそのお金を、債権者に配当しようというのが今回の更正計画案の内容なんですね。
以前もご紹介しましたが、かつてお金を借りていて、利息を払いすぎていた「過払い金」のある方も、2月末までに届出をしていれば「債権者」と認められ、お金が返ってくることになります。武富士に対して、過払い金の返還を求めている人は、91万人、合計金額は1兆3700億円にもなるんです。
邦丸
更正計画案では、どれくらいの金額が戻ってくることになっているんでしょう?
山田
実は、僅か「3・3%」。過払い金が100万の人でも3万3千円しか戻りません。かなり厳しい数字だと思います。ただ経営破たんした武富士に限らず、消費者金融など貸金業者は、経営状況がかなり悪化しており、過払い金の返還に苦労しているところは多いようです。
邦丸
やはり去年6月の、貸金業法の改正が大きいんでしょうか。
山田
改正貸金業法の完全施行があってから、市場規模は3割減、さらに縮小傾向にあるといわれています。入ってくるお金が少なくなってくる分、出て行くお金を少なくしたいということで裁判をしてようやく払ってくる、という業者も増えてきますね。
「いつか取り戻そう」とお考えの方は、早めに弁護士などにご相談ください。
この法律の改正で、注目されたのが、借り入れの金額が年収の3分の1までに制限される「総量規制」の実施です。借りるのが、1社だけならいいですが、3社も、4社も借りたら、返せなくなってしまいますよね。だから貸す方もそういった過剰な貸付を辞めましょうという規定なんです。
5件以上の借り入れがある、多重債務者と呼ばれる方は、今年5月現在、69万人。1年で4割も減っています。また自己破産の件数が増えるのではと懸念されていましたが、予想されたほど増えておらず、ひと安心というところです。
邦丸
やはりお金は借りにくくなっているんでしょうか。
山田
金融庁の発表では、借り入れを申し込んだけれど、希望通りの額を借りられなかった人が25・7%。去年の3月は16・8%でしたから、借りにくくなったのは確かだと思います。そうなると「ヤミ金」を利用する人が多くならないか、という心配もあったのですが、日弁連への相談件数や警察の件虚数などを見ると、こちらも減少傾向にあると報告されています。
邦丸
「クレジットカードショッピング枠の現金化」や 「金貨金融」といったサギまがいの手口が増えている、ということなんでしょうか。
山田
そうですね。ネットを見ると「ブラックの方でも借りられます」とか「クレジット枠の現金化」などと、甘い話を持ちかける業者が実に多いです。一時的に手元に現金が入っても、結局は借金が膨らむだけ。絶対に利用してはいけません。
邦丸
簡単にお金を借りられなくなったからといって、甘い話にのってはいけない、ということですね。過払い金の請求と同様、専門家に、早めに相談するのがよさそうですね。