文化放送『くにまるジャパン』に中原俊明弁護士が出演 113回テーマ 「震災とブラックリスト」編
2011年04月19日
弁護士法人 法律事務所ホームワン
113回テーマ 「震災とブラックリスト」編
2011年4月19日 午前9:45~放送
文化放送 『くにまるジャパン』
“得々情報 暮らしインフォメーション ホームワン法律相談室”
出演
・番組MC 野村邦丸さん
・番組パーソナリティ 鈴木純子さん
・法律事務所ホームワン 中原 俊明(なかはら としあき)代表弁護士
113回テーマ 「震災とブラックリスト」編(4月19日 午前9:45 ~)
■放送内容要約(実際の放送内容は少し異なります)
邦丸
このところ、震災関連のお話を伺っています。
被害に遭われた方の中には、クレジットや消費者金融など、気がつけば返済期限が過ぎてしまった。このままでは「ブラックリスト」に載ってしまう…と、青くなっている方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。去年から始まった「総量規制」で、年収の3分の1までに借り入れが制限されて、「ブラックリスト」に該当する延滞者の割合が増えているという事実もあります。
中原
被災者の方にとっては、正直、返済を考える余裕すらない、大変な毎日だったとお察しします。クレジット系の信用情報機関、シー・アイ・シーの調べでは、去年12月の時点で、三ヶ月以上返済が滞っている、いわゆるブラックリストに該当する方の割合は29・1%。ジワジワ増えていることは事実です。ただ、被災者の方は、ひとまずご安心ください。いまお話した「シー・アイ・シー」、そして消費者金融系の機関である「日本信用情報機構」どちらも、被災者の延滞登録を緩和しています。
邦丸
緩和…緩めているということですね。詳しくご説明いただけますか。
中原
先ほどお話したように、返済が三ヶ月遅れると、信用情報にこの事実が登録されてしまいます。これがいわゆる「ブラックリストに載る」状態です。
ただし、被災地域にお住まいの方の場合、入金が遅れても、この登録をしないことが決まっています。業者の側も、会社そのものが大きな被害を受け、情報の登録や問い合わせができないケースがあるようです。
邦丸
本当に震災の影響は大きいんですね。
さて、この機会に「ブラックリスト」とはどんなものか、もう一度教えていただけますか?
中原
実は「リスト」といっても、一覧表や名簿はありません。先ほどご紹介したように、クレジット系や消費者金融系…といったように、それぞれ業界ごとにデータセンターがあり、個人の信用状態を記録しています。このデータセンターが「信用情報機関」です。
「返済が三ヶ月遅れた」「借金整理をした」といった場合、加盟している業者が、その事実を信用情報機関に登録します。こうした情報は、交通事故の事故と書く「事故情報」、あるいは「ブラック情報」と呼ばれます。
邦丸
なるほど、それで、「ブラック情報が登録される」、イコール「ブラックリストに載る」というわけですね。一度名前が載ると、一生消えることはないんでしょうか。
中原
そんなことはないですよ。「返済の延滞」や「借金の整理」は、原則として五年で、登録が抹消されることになっています。その間のマイナスといえば、消費者金融やクレジット系からお金を借りるのが難しくなる程度です。家を借りたり、新たに保険に入ったりするのには、何の問題もありませんので、ご安心ください。
邦丸
ブラックリストという名前はオドロオドロしいですが、ちゃんと内容を知れば、むやみに怖がることもないですね。さて、そのほか、被災者の皆さんにとって参考になる、「お金」にまつわる情報はありますか?
中原
今回の復興支援については、四月初めの時点ですが、政府が家屋を失くした方に一時金を給付する案を検討したり、雇用関係ではハローワークが「震災特別相談窓口」を設置。
また農家にはJAが無利子の融資を検討するなど、バックアップが始まっています。返済に困っても悲観することはありません。やみくもに借金を重ねたりすることなく、情報を集め、専門家へ相談するなど、生活を立て直していく上で、ベストの選択をしていただきたいですね。