文化放送『くにまるジャパン』に山田冬樹弁護士が出演 111回テーマ 「震災と雇用」編

2011年04月05日
弁護士法人 法律事務所ホームワン

111回テーマ 「震災と雇用」編
2011年4月5日 午前9:45~放送

文化放送 『くにまるジャパン』
“得々情報 暮らしインフォメーション ホームワン法律相談室”

出演
・番組MC 野村邦丸さん
・番組パーソナリティ 鈴木純子さん
・法律事務所ホームワン 山田冬樹 (やまだふゆき)代表弁護士

111回テーマ 「震災と雇用」編(4月5日 午前9:45 ~)

■放送内容要約(実際の放送内容は少し異なります)

邦丸
東北地方太平洋沖地震では多くの企業が被災しました。また、計画停電や原発の風評被害による売上低下など、経済活動への影響は、けっこう大きいようですね。

山田
首都圏の中小企業のおよそ6割が、「間接的な被害が出た」と答えています。これは、東京中小企業家同友会が、301社を対象に行ったアンケートによるものです。

邦丸
「間接的」な損害というと?

山田
地震によって工場が操業できなくなったというのが直接損害だとすると、今度は、その工場が作っていた部品を使って別の製品を作っていた工場が操業できなくなる、そういった損害です。間接的な損害は、地震の無かった国内の別の地域ばかりか、外国にも広がっています。

邦丸
「間接的な損害」で一番多いのは?

山田
「計画停電」に関わるもので、「生産量や作業時間が制限される」「人員のシフトを組むのが難しい」といったものが目立ちます。

邦丸
東京でいえば、町工場の多い荒川区や足立区など、本当に深刻な問題ですよね。たとえば、計画停電で会社が休業している場合は、その分の給料は支払ってもらえるんでしょうか?

山田
例えば、ある会社が、工場が1時から4時まで計画停電になるということで、「それじゃあ仕事にならないから一日中休業にしよう。」となったとします。その場合、一日7時間労働時間があるうち、3時間については、給料は払われません。計画停電という、不可抗力によるもので、会社には何の責任もないので、給料はその3時間分は払わなくていいんですね。休業手当も同じです。
ただ、残り4時間は、工場を動かそうと思えば動かせたのですから、その分の給料はださなければならないんです。ただし、就業規則とか、労使協定とかで、天災などの不可抗力の場合でも月給を払うというふうに決められている場合には、使用者は給料を支払うのが原則です。

邦丸
工場によっては、一日中機械を動かしていないと、製品ができないというところもありますよね。

山田
たとえば食品工場で、一日がかりでないと商品が作れないと言った場合ですね。こうした場合、途中3時間だけ電気が来なくても、仕事が一日ストップしてしまうということもあります。この場合は、丸一日分給料、休業手当を払わなくてもいいということもありえます。それぞれの会社の個別的事情によって、変わってくるんですね。

邦丸
なるほど。地震で会社も体力を奪われている場合は、失業保険に頼ることも考えられますよね。

山田
地震で会社の経済活動がストップし、賃金を受け取れない場合、退職していなくても失業保険が受けられます。また、労災や休業補償の請求にあたって、事業主や病院などの証明を取ることが難しい場合は、証明がなくても請求することができます。

邦丸
地震が原因で会社が倒産しちゃったんだけど、未払いの給料が残ってる…という場合はどうでしょう。

山田
「未払い賃金の立替払い制度」の利用が考えられます。
労働者健康福祉機構という組織が、原則として給料の8割を立替払いをしてくれます。その後、労働者健康福祉機構が、会社に対して立て替え分の請求を行うことになります。厚生労働省では、震災で直接被害をこうむった地域の中小企業で働いていた方々については、このあたりの申請に必要な書類の簡略化を行うそうです。
企業、労働者、どちらからの相談に対しても、全国のハローワークが「震災特別相談窓口」を設置しています。また日弁連の中小企業経営者向け弁護士紹介サービス「ひまわりほっとダイヤル」では、震災に関する法律相談は、初回面談の30分を無料で提供しています。
一人で問題を抱え込まず、ご相談されることをオススメします。