【法律コラム】キラキラネーム 何が問題か

2022年06月09日
弁護士法人 法律事務所ホームワン

最近話題のキラキラネーム。戸籍をデジタル化する過程で読み仮名が問題になっているという。

ある研究者が2004年から18年に生まれた新生児の名前約8000件を分析したところ、例えば「大翔」の読みは「ひろと」「たいが」「そら」など18もあったという。それでは、この名前をデジタル情報として登録するのに読み仮名をどう登録すればいいのかが議論になっている。

戸籍法によると、名前は「常用平易な文字」で、漢字か平仮名、片仮名を使う。使える漢字には2999字が指定されている。ただ戸籍に読み仮名は不要。出生届には読みを記入する欄があるが、戸籍には反映されない。
そのため、今後戸籍に登録する読み仮名について①公序良俗に反しない②音訓や漢字の表す意味との関連性―を基準とする案が上がっているという。
これに対して、国が事務の効率化という目的で、個人の呼び名まで制限していいのか、人格権の侵害では、という意見もあるという。

しかし、そんな大それた問題なのか、大いに疑問だ。
別に、戸籍にどう書かれようと、呼び名をどうしようが個人の勝手。今だって、戸籍に読み仮名は登録されないのだから、国の管理上読み仮名を一つに統一しても何ら問題はないのではなかろうか。

呼び名というから話がややこしくなるのであって、フリガナコードとして考えればいい。
山田花子であれば、山はサン、田はデン、花はカ、子はコと統一ルールを決め、サンデンカコとすればいい。別にマイナンバーと同様、検索又は管理のための符号に過ぎないのだから、呼び名は自分で自由に名乗ればいい。符号は符号、呼び名がどうであっても全く構わないではないか。

ところでアメリカでも別の意味でキラキラネームが問題化している。

白人の名前は、ドナルド・トランプ、ジョセフ・バイデンだったり、姓はバラバラでも、ファーストネームは、ありきたりの名前が多い。しかし、黒人の場合、キラキラネームがやたら多い。カリフォルニアで生まれたアフリカ系米国人の女の子の30%が、同じ年に生まれた数10万人の女児に同じ名前が1つもない「オンリーワン」のネームだったとの話も聞く。

そのため、就職のためのエントリーカードには、差別を防ぐため、当然人種の記載は許されないが、キラキラネームならば黒人だろうということで、キラキラネームの名前の人間は採用されにくいという統計結果もあるそうだ。