【債務整理】銀行の「おまとめローン」と「任意整理」の違い

2015年06月26日
弁護士法人 法律事務所ホームワン

ホームワン 債務整理チームです。

お客様から「銀行のおまとめローンと任意整理の違いはなにか?」と尋ねられることがよくあります。

銀行などの『おまとめローン』は,いわゆる『債務(借金)の一本化』であり,複数の貸金業者から借り入れしている債務額と同額を銀行から借り入れし,貸金業者からの借金を全部返済し,以降は銀行だけに毎月返済する方法です。

任意整理とは,弁護士などの専門家が『利息制限法』に基づいて利息の再計算を行ない,借金を減額したうえで,残った借金を36~60回払いで支払えるように貸金業者と交渉し,それぞれの貸金業者に支払っていくことをいいます。

おまとめローンは『複数社に支払うことなく,1社(銀行)に支払うだけになるため,状況によっては,月返済額が軽減できる』などのメリットがあります。一方で『借り換えたとしても,毎月利息を含めて支払うことになるため,分割回数が多いと,支払総額が高額になること』がデメリットとして挙げられます。

任意整理は『貸金業者と契約した際,利息制限法以上の金利で契約している場合は,利息の再計算を行うため,借金が減額できる可能性があります。また分割交渉時は,将来にかかる利息をカットしてくれるように交渉するため,交渉によっては,利息が全くかからず,残った借金だけを支払えば完済できる、というメリットもあります。一方で、デメリットとしては,『信用情報機関に事故情報(いわゆるブラックリスト)が登録されてしまうため,今後,一定期間が借り入れすることができなくなる可能性がある』ことが挙げられます。

たとえば,『4社から総額200万円(月返済額6万円)』を借りていた方がいたとします。銀行からおまとめローンとして『200万円(金利10%とします)を60回払い』でを借り入れした場合,毎月返済額は約4.3万円,支払総額は約255万円を支払うこととなります(簡易計算のため,実際とは異なることがあります)。

他方,任意整理の場合,仮に借金が減額できなかったしても,200万円の借金を仮に60回分割で和解できれば,月返済額は約3.3万円,支払総額は200万円で完済できることになります。(分割回数や利息カット等の和解条件は依頼者の方の取引内容等により,異なります)

上記に記載した,『おまとめローン』と『任意整理』のメリットとデメリットは,ほんの一例ですので,それ以外にも考慮しなければならない点はあります。

どちらを選択するかどうかは,お客様の生活状況や今後の将来設計等によっても異なりますので,もし,現在,返済に行き詰まりそう,借金問題に悩んでいるという方がいれば,一人で悩まずに,まずは専門家に相談されてみてはいかがでしょうか?