振り込め詐欺2週間で1000万超え 卒業名簿悪用か

2012年05月01日
弁護士法人 法律事務所ホームワン

高校の卒業生名簿を悪用したとみられる振り込め詐欺が大分県内で続発し、この約2週間で1000万円超がだまし取られていることが10日、分かった。

県警は全市町村に注意文書を送付し、高校もホームページ(HP)などで警戒を促している。

県警によると、3月27日から、息子になりすました男から「職場の女性を妊娠させた。示談金が必要」などといった電話が県内で相次ぐようになった。10 日までに県警に35件の報告が寄せられ、被害総額は1000万円を超える。そのうち県警は、5件の約700万円分の被害届を受理して捜査している。ある捜 査員は「報告があるのは氷山の一角。詐欺に気付いていないケースもあるだろう」と推測する。

被害は大分工高(23件)、佐伯鶴城高(7件)、臼杵商高(4件)、私立高(1件)の卒業生宅に集中。卒業生名簿が悪用されているとみられる。息子を装い、指定口座に100万~200万円を振り込ませていた。

被害者たちは「振り込め詐欺は知っていたが、『女性を妊娠させてしまった』と聞き、頭が真っ白になって振り込んでしまった」と話しているという。

犯行には、複数の携帯電話が使われており、県警は被害者宅や未遂に終わった卒業生宅の着信記録を調べる一方、振り込みを指定した金融機関の口座の開設者などを調べている。

10日には、「今、県は振り込め詐欺犯人から狙われています。不審だなと感じたら110番を」などとする文書を各警察署を通じて自治体に送った。金融機関には、携帯を持って急いでいる客らに注意を促す文書を配り、被害の防止に努めている。

県警生活安全企画課は「振り込め詐欺だと疑われる電話がかかってきたら、兄弟の名前や生年月日など家族しか知らないことを尋ねるなどして、被害を防いでほしい」としている。

大分工高によると、悪用されている名簿は1999年前後に卒業した人のもの。HPに注意文を掲示しているほか、同窓会サイトに登録している卒業生にメー ルで被害の発生を知らせている。佐伯鶴城高もHPに注意文を載せて卒業生の保護者らに注意を呼びかけている。(高良亜矢子)

※引用
2012年 4月11日 読売新聞
「http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=57181」