【兵庫】「通帳詐欺」県内で横行 標的は多重債務者

2011年11月17日
弁護士法人 法律事務所ホームワン

他人への転売目的で預金口座を不正に開設する「通帳詐欺」が兵庫県内で横行している。資金繰りに困った多重債務者が狙われ、「通帳を作れば融資が可能」などと持ち掛けられてヤミ金融業者に悪用されるケースが多い。改正貸金業法の施行による規制強化で、県内の正規業者は減少し、貸し手と借り手のバランスは崩れる一方。兵庫県警は「振り込め詐欺など別の犯罪を助長しかねない」として警戒を強めている。
通帳詐欺が減らない一因に法規制の強化と正規の貸金業者の減少がある。県によると、10年3月末に162社だったのが、今年8月末には80社と半減した。金利の引き下げや登録条件の規制強化が理由で、貸金業者の経営は厳しい。県内のある業者は「貸したくても貸せない」とこぼす。その結果、ヤミ金に流れた債務者が、知らぬ間に別の犯罪に加担している構図が生まれている。警察は08年の犯罪収益移転防止法の施行以降、金融機関などに対し、ヤミ金などの犯罪に絡む口座の凍結を積極的に要請。さらに金の出し入れが頻繁にあったり、架空名義の疑いのある口座が開設されたりするなどの不審な取引については届け出るよう求めている。

※引用
2011年10月18日 神戸新聞
「「通帳詐欺」県内で横行 標的は多重債務者」